過酷事故対応も全然駄目だった
下記の記事が出ている。
「過酷事故」の想定超える 津波で「電源融通」できず
産経ニュース: 2011.4.22
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110422/dst11042201310008-n1.htm
「想定外」とされている。
しかし,表現が間違っている。
「想定すべきだったのに,想定する能力がなかった」と表現するのが正しい。
なぜなら,今回の大地震のような出来事は既に予想されていたことであるし,1号~4号の原発全てがダメージを受ける事態の発生は誰でも予測可能なことだからだ。
原子力安全委員会は,「無能な者」(←専門家として求められる必要な判断能力を欠く場合には,能力がないので,普通の日本語の表現としては「無能」となる。)の集団であることを素直に認め,全員責任をとって引退・蟄居しなければ駄目だ。なぜなら,現時点でもなお「無能である」という属性がそのまま維持されているからだ。日本の危機を「無能な者」の判断に任せることは狂気の沙汰としか言いようがない。戦国時代であれば,当然,一族郎党全部集めて河原で一斉に打ち首ということになっただろう。それくらいのひどい無能さを余すことなく発揮し,国を滅ぼす元凶となっている要素の一つ,それが原子力安全委員会の委員なのだ。全員更迭しなければならない。日本にまともな研究者が存在しないのなら,緊急避難措置として,外国から一時的に招聘すればよい。明治維新当時には,そうやって国難を乗り越えたのだ。
なお,法律論としては,原子力安全委員会の委員(当時)は,東電の不法行為(民法709条)について共同不法行為者となると考えている。基本的には,無能であるのに無能であると自覚せずに委員に就任したことが過失の本質なのだが,具体的には過酷事故対応について,容易に推論・予見できたことを予見しなかったという点に過失を求めることができる。また,第三者によって既に過酷事故の発生が指摘されていた場合には,その指摘を正しく受け止めて結果回避措置を講じなかった点に過失を求めることができる。
全員,共同不法行為者として,連帯して損害賠償責任を負うべきだ。
ちなみに,もし本当は想定していたのに,贈収賄等により「想定外」としていたのであれば,それは犯罪だ。犯罪である場合の捜査は簡単だ。東電株等を,どの時期に,どれくらい保有していたのかを調べてみればすぐに推測がつく。
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世間では,「過酷事故対応」について,誤った理解が流布されているようなので,本来どのような対応策が策定されるべきであったのか,サンプルを示すことにする。これは,常識に属するものなので,このサンプルについて違和感を持つ者は,自分が無能または非常識な人間だと自己判定することができる。「過酷事故対応」を検討する場合には,通常,この程度のシビアさで検討がなされるのが通例であり,軍においてはもっと厳しい状況を想定した検討がなされるというのが常識だ。ちなみに,原子力損害賠償法では,「戦争」等による場合の免責条項が定められているのだから,戦争等により本社及び原子力施設等が壊滅的な打撃を受けた場合を「想定」し,その対応策を講じておくことは,法の要求するところでもある(法律上の義務である)と解することができる。
1) 東京直下型の大地震により東電本社の社屋が壊滅し,ほぼ全員即死したと想定する場合
対応策:東北電力が一時的に統制を有し,東電の原発の危機管理対応をすることができるよう,東北電力と事前に合意をしておき,事故発生時には東北電力が統制を有するものとする
2) 原発直下を震源とする大地震の発生により全ての配管と水補給システムが破壊され修復不可能になると想定する場合
対応策1:超大型ヘリコプターを事前に購入し,海水等を散布する訓練を日常的に実施した上で,事故発生時には,超大型ヘリコプターによる散水で急場をしのぐ
対応策2:原発施設全体を水没させることができるように巨大なプール状の構造物で全体を囲うようなものとするよう設計変更をし,そのような工事を実施し,事故発生時には,海水を大量注入して原発施設全体を水没させた上で,その後の対応を検討する。
なお,責任をとって自殺するという対応策を定めることは公序良俗に反し無効となる。そこで,警察関係の対応策も予め用意し,故意(海外逃亡など)または過失により適切に事故対応をしなかった場合には,誰をどの時点で逮捕すべきかを予め定め,それを警察に提出させることが必要となる。これもまた,過酷事故対応の一部でなければならない。自殺によって責任をとらせるのではなく,可能な限り厳格な処罰によって責任をとらせるのでなければならない。
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