原子力発電を推進してきた学者らが自己批判と懺悔
あまりにも遅すぎると思うが,下記の記事が出ている。
原発推進学者が次々懺悔 「国民に深く陳謝する」
J-CASTニュース: 2011年4月16日
http://www.j-cast.com/2011/04/16093099.html
私が思うには,日本の原子力政策の最初の段階において,これらの人々が「原発は危険すぎて人の管理可能な範囲を越えている」と言っていれば,日本に原発はなかったはずだ。しかし,名誉欲やら研究欲やら何やら諸々の欲望に負けてしまったのだろう。
今更懺悔しても何の解決にも寄与しない。せめて,全財産を被災者のために寄付して欲しいと思う。そのあとは年金だけでもどうにか暮らせるだろう。これまで良い暮らしをしたのだから,最後くらいは頭をまるめて慎ましやかに暮らし,反省と供養の日々を送るべきだ。なにしろ,放射能汚染等による死者はこれからどんどん増えてくるのだから・・・
なお,上記の記事中にもあるとおり,真の現状は,政府や東電が公式に発表しているようななまやさしいものではない。
真の現状を踏まえた解決策は一つしかない。
半径数キロ,高さ300メートル以上程度の人工的な山を構築し,全部うずめてしまうべきだ。
原子力発電施設に装備されている冷却機能の効果を期待している限り,永遠に「賽の河原」となり,周辺地域だけではなく日本全土を広く汚染し続ける。人間がとてもまともに生きていられない国になってしまうのだ。
上記の学者らは,そのことをよく知っているはずだ。どうせ懺悔してしまったのだから,この際,一切合財全てを正直にちゃんと話すべきだと思う。
そうすれば,私が提案している解決策が唯一の解決策だということを誰でも納得することができるだろうと思う。
一切の「期待」と「努力」は無駄だ。
一刻でも早く見切りをつけなければならない。
そして,日本にある(福島第一原発以外の)全ての原子力施設について,順次操業停止命令を出し,原子力燃料を取り出して地中深く埋めてしまわなければならない。その後,残された施設についてはいずれも同様に人工的な高い山を構築して埋めてしまうことが必要だ。もし原子力燃料を埋める場所がないのであれば,原子力施設と一緒に埋めてしまうしかない。
それしか手はない。
なお,今後,国の安全基準等を定める場合,関連分野の研究者や企業等が一切口出しをすることができないような制度的仕組みをつくる必要がある。
国が可能な限り最大限度の想定をした上で,要求仕様を定める。
現状の技術によってはその要求仕様を満たすことができないのであれば,潔く諦める。
そのような国にしなければならない。
最終処分の方法も決めないまま,何となくスタートさせてしまったところに日本の原発政策の最大の問題点がある。
一番最初に最も厳しい要求仕様を定めることが大事だし,それに従わせることも大事だし,そして,技術的に無理だというのであれば断念させることも大事だ。
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(余談)
私は,このブログにおいて,スリーマイル島原発事故よりもチェルノブイリ原発事故との相似性に着目すべきだとの態度をとってきた。
批判があった。それは,主に原子炉の構造の相違に基づく。
私は,そのような批判を無視してきた。なぜなら,その批判は,極めてミクロ的な考察に基づくものであり,マクロ的な視点を全く欠くものだからだ。「専門馬鹿」的な誤りがある。
上記の学者らは,懺悔の中で,深刻度においてはチェルノブイリ事故と同じだということを初めて認めている。この点だけは評価する。
ロシア政府は,急激に態度を軟化させ,事態を沈静化させようと躍起になっているが,それは,ロシアが極めて難しい国内事情を抱えていることと,日本の政治史の中では比較的珍しい親ロ的な政権が崩壊してしまうことを怖れていること,この2つの理由に基づくものだと推測される。つまり,ロシアの最近の態度の変化は,少しも科学的な態度ではなく,政治的な態度だと評価しなければならない。
私は,チェルノブイリ事故以上に深刻な事態が発生し得ると考えてきたし,今でもそう考えている。
そして,日本中どこに逃げても同じなので,どこにも逃げず,このようにしてブログを書き続けている。
私見に批判的な見解は現在でも多数ある。しかし,彼らは,本当はよくわかっているはずだ。
人間として,正直であるべきだ。
「正直になることだけが日本を救うことになる」ということを切に訴える。
自己の名誉や地位や立場にこだわり続けていれば,いずれ日本が全面的に壊滅し,名誉や地位や立場だけではなく,何もかも失ってしまうかもしれないというのに。
[関連記事]
原発にかかわったタレント、著名人の発言が注目されている
nifty(日刊ゲンダイ): 2011年4月14日
http://news.nifty.com/cs/entame/showbizddetail/gendai-000142274/1.htm
[追記:2011年7月29日]
関連記事を追加する。
原子力研究の落日、使命を見失った学者たち――象牙の塔の「罪と罰」
東洋経済オンライン: 2011/07/07
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/938362cd3933f921406bb8bc9d8704c7/page/1/
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