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2011年4月16日 (土曜日)

ニューヨークタイムズが日本政府の原発推進政策による国民の洗脳を批判

下記の記事が出ている。

 Fukushima and Hiroshima
 New York Times: April 15, 2011
 http://www.nytimes.com/2011/04/16/opinion/16iht-edlifton16.html

福島原発事故と広島と長崎に投下された原爆を素材にした記事なのだが,深く切り込んでいると思う。さすが,尊敬に値する。

さて,原発とは何かと問われれば,「非常にゆっくりと爆発し続ける原子爆弾」だと返答するしかない。

このことは,全ての物理学者が当然の前提としていることだ。しかし,日本では,そのことを隠蔽し,「安全」として国民を洗脳してきた。新聞やテレビがそのための最も有効な宣伝手段としてフルに活用されてきたことは言うまでもない(ただし,新聞やテレビが自己批判をする気はなさそうだ。毎度おなじみなので特に驚くには値しない。)。

日本政府と言っても,99パーセント以上の責任は旧自民党政権にあるのだが,現在の民主党政権も,政権を取ったとたんに原発推進派になってしまったので,全く責任がないというわけではない(民主党は,原子力発電で利益を得ている者らに軽く手玉にとられ,簡単に調教されてしまったことを恥じるべきだと思う。)。

自民党は,民主党政権による原発事故対応を非難する資格を有しない。そうではなく,自らの落度を認め,蟄居・謹慎すべきものと考える。

他方,現政権が現時点でなすべきことは何かと言うと,やはり,国民に対し,原発は「非常にゆっくりと爆発し続ける原子爆弾」だということを,正直に周知することに尽きると思う。

広島や長崎に投下された原子爆弾は,瞬時にして全エネルギー反応を生じさせた。それによって,強力な熱線や放射線を一度に発生させたのだ。だから爆弾としての恐るべき破壊力を発生させることができた。他方で,原発は,兵器である爆弾として設計されているわけではない。しかし,非常に長期間にわたり放射線を出し続ける恐るべき毒物製造装置として理解する必要がある。そして,管理や制御が不能になると,その本来の性質を取り戻し,原子爆弾と同じように一瞬で放射線等を大量に発生させるようにして爆発してしまうことがある。爆発の現地は,水で制御するタイプのものでは水蒸気爆発によることがあるし,ナトリウムで制御するタイプのものでは急激かつ超高温の燃焼によることがあるという相違はあるが,俗な表現で言えば,核爆発とあまり変わらないことが起きる。

目下,福島第一原発は,そのような状況にある。

原発に対する制御が可能な間は,恐怖の毒物製造装置として大量の放射性物質を放出し続け,周囲を汚染し続ける。周囲の土壌等をいくら除染しても次から次へと汚染されてしまうので,どうにもならない。賽の河原だ。

そして,制御が不能になれば,もう誰にもどうにもできなくなる。私見では,最終的に制御を断念せざるを得なくなるだろうと予測している。

だから,私は,さっさと埋めてしまえと主張している。

埋めてしまっても,再臨界するだろうし,水蒸気爆発もあるだろう。しかし,巨大な山の中に閉じ込めてしまい,地下核実験が実施されたのと同じ程度の結果が生ずるレベルまで押さえ込んでしまうという作戦なのだ。

これしかない。

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コメント

nogaさん

日本人の全てに危機管理能力がないとは思いません。

しかし,危機管理能力のある者がいても,指導的立場にたてないように社会的な枠組みができてしまっていることは事実だと思います。

60歳以上の者による支配が濃厚が組織では特にそうです。

それゆえ,日本という国では危機管理が難しいという結論はそのとおりだと思います。

しかし,日本人の資質の問題ではないと考えます。社会的・文化的または政治的な問題でしょう。

投稿: 夏井高人 | 2011年4月17日 (日曜日) 18時45分

日本人に危機管理はできない。
自分に都合の良いことは思惑通り、悪いことは想定外とする。
縁起でもないことを口に出してはいけない。言霊の効果が恐ろしい。
あとは、他力本願・神頼み。
はらいたまい、清めたまえ。


我が国が核攻撃を受けたらどのような事態が発生するか。
我が国の原発が大事故を起こしたらどうなるか。
疾走する弾丸列車が貨物列車に激突したらどのようになるか。

悪夢は見たくない。いつまでも能天気でいたい。
天下泰平の気分を壊したくない。

自分に都合の良いことだけを考えていたい。
それ以外の内容は、想定外になる。

ただ「間違ってはいけない」とだけ注意を与える。
「人は、誤りを避けられない」とは教えない。
「お互いに注意を喚起し合って、正しい道を歩まなくてはならない」とは、考えていない。

もしも自分にとって都合の悪いことが起こったら、びっくりする以外にない。
そして、「私は、相手を信じていた」と言い訳するしかない。だから、罪がないことになる。

危機管理は大の苦手。
だが、ナウな感じのする犯人捜し・捕り物帳なら大好きである。毎日テレビで見ている。

日本語には時制がないので、未来時制もない。
未来の内容を鮮明に正確に脳裏に描きだすことは難しい。
一億一心のようではあるが、内容がないので建設的なことは起こらない。
お互いに、相手の手を抑えあった形である。すべては安全のためか。不信のためか。

問題を解決する能力はないが、事態を台無しにする力を持っている。
親分の腹芸か、政党の内紛のようなもの。
今回の事件はわが国の国民性を色濃くにじませている。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812


投稿: noga | 2011年4月17日 (日曜日) 18時31分

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