ハザードマップではなく安全マップをつくろう!
自治体等でハザードマップを作成しているところが少なくない。
しかし,今回の震災では,従来危険地域とされていなかったところでも液状化現象が発生したところがある。
かつて湖沼,海浜,水田,河川だったところや,水害や土砂崩れなどの災害が発生したことのあるところは基本的に危険だ。
このことは,古い記録や古地図などを丹念に調べることによって知ることができる。
しかし,自治体にはその予算がない。
他方で,見かけ上は立派な住宅地等になっているところを不用意に「危険」と指定すると,不動産会社などから「業務妨害だ!」とか「名誉毀損だ!」とかねじこまれたり,「評価額が低下した損失を補償しろ」と要求されたりする危険性がある。
そこで,ハザードマップではなく,安全マップを作成することを提案する。
要するに,一時避難場所として適した場所を探し出し,地図化するのだ。
安全とされていない場所は,「危険な場所」と「どちらでもない場所」とが含まれることになるから,上記のような苦情等を受ける可能性が少し低い。
基本的には,関東大震災や安政の大地震以前からの古い建物等が温存されている場所は地震に強いといえるだろうし,水害や土砂崩れなどの被害が発生したことのない場所は洪水や津波の際の安全性が高いと言えるだろう。
新しい造成地については,何とも言えない部分があるが,造成前の古い地図と比べてみることによって,ある程度推測することは可能だ。基本的には,山を切り取って平坦にした部分は比較的安全だが,谷を埋めて造成したり,低湿地に土盛りして造成したりした場所は危険だと言えるだろうと思う。
近い将来において東京や横浜などで直下型の大地震が発生するかどうかは分からない。東京湾ではすでにそこを震源とする地震が発生しているけれども,それで終わりになってしまうかもしれないし,そうでないかもしれない。とにかく未来のことは誰にも分からない。
しかし,今後も東京や横浜の近隣で大きな地震が発生する可能性は十分にあり,これらの地域がその影響を受ける可能性は高い。
自己防衛として,予め安全な場所を探し,そこへの避難経路を確認しておくことはとても大事なことだ。
古地図は,図書館などで見つけることができる。
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