クラウドコンピューティングは世界中のソフトウェアビジネスを破壊する
下記の記事が出ている。
The Cloud Threat to the Software Business
New York Times: April 15, 2011
http://bits.blogs.nytimes.com/2011/04/15/the-cloud-threat-to-the-software-business/
これまた随分以前から私が指摘してきたことだ。やっと,私の主張がまともだということを証明することができる時代になってきたことになる。
ソフトウェアエンジニアの99パーセント以上が失業してしまうことになるだろう。なにしろ,パブリッククラウド上で稼働する1個のアプリケーションだけ存在すれば足りることになるからだ。
巨大過ぎるパブリッククラウドは危険であると同時に,実は極めて脆弱なものだ。
私の当初からの提案は,世界規模での禁止を目指し,禁止条約の締結のために可能な限りの努力をすべきだということに尽きる。
もし世界が1~2だけのパブリッククラウドによって支配されてしまうようになったら,世界経済が破綻することはもちろんのこと,産業も崩壊し,政治も破壊され,全てがごく少数の者によって支配されてしまうことになる。
パブリッククラウド間での競争は自由競争にはなりにくいので,比較的短期間の間に独占状態が簡単に確立されてしまう可能性が高いということを忘れてはならない。
*************************************
(余談)
様々なところでクラウドのセキュリティやマネジメントなどについて討議される機会が増えてきた。
私は,空しさと哀れみの気持ちを抑えることができない。
ごく少数の巨大なパブリッククラウドによる独占または寡占が成立してしまうと,世界のほとんどすべてのセキュリティ専門家やコンサルタント等が必要なくなってしまう。公認会計士も弁護士もいらない。
認証は全て自己認証でまかなうことになるので,認証ビジネスも消滅することになる。
要するに,ITと関係するほぼすべての職業が必要なくなり,消滅する。
そして,いつも述べていることなのだが,そうやって職業がどんどん消滅してしまうと,パブリッククラウドの顧客となり得る者も同時に消滅することになるから,結局,独占の成立と同時に顧客の消滅という現象が発生することになり,すべてが無に帰することになる。
だから,セキュリティの専門家や公認会計士や認証関係の業務に従事する者等が今なすべきことは,(自分がそのような業務を担当するということを前提として)マネジメントや方法論を議論することではなく,「禁止を求めること」でなければならない。
巨大すぎるパブリッククラウドは,その生い立ちからして既に事故を起こしつつある原子力発電所のようなものだ。
そのことに気づかない者は,相当に知力が劣っていると断定して良い。
| 固定リンク
コメント