米国:Androidによるトラッキングが違法であるとして,Googleに対するクラスアクションの提起
下記の記事が出ている。
Oakland County women sue Google over Android's tracking software
Detroit News: April 28, 2011
http://www.detnews.com/article/20110428/METRO02/104280446/1361/Oakland-County-women-sue-Google-over-Android-s-tracking-software
Google sued over – yes – Android location tracking
Register: 28 April 2011
http://www.theregister.co.uk/2011/04/28/google_sued_over_android_location_tracking/
同様の訴訟がiPhoneの位置情報トラッキングを違法として提起されている。
私が不思議に思うのは,この種のニュースが日本ではさっぱり報道されないということだ。
もし,原告らが勝訴した場合,AndroidスマートフォンもiPhoneも違法であることになる。違法なデバイスの利用は許されないから,日本で販売している企業は回収した上で弁償しなければならない。
同様のことは,スマートフォンと関係する特許訴訟でも言うことができ,近い将来,かなり多くの種類のスマートフォンが特許侵害物として違法であると判定されることになる可能性が極めて高い。特許侵害物を利用していれば,消費者であっても特許侵害行為をしていることになりかねないので,特許侵害となるスマートフォンの利用は許されない。
関連企業とマスコミは,その旨を事前に告知しておく必要があると考えられる。
自社の製品は適法だと信じているのであれば,そのように告知すればよいだろう。そして,もし,将来,特許侵害であるとの判決を受けたならば,潔く回収・弁償をすべきだと思う。
そのような習慣や社会慣習のようなものがないから,PS3でもハッキングがあったことの報道が随分と遅れた。
私のブログでは,かなり早い時点で記事を見つけて紹介しているし,消費者庁の関係者やマスコミ関係者も頻繁に読みにきているので,本当はみんな熟知しているはずだ。ある新聞社では,「ネットの一部ではそのような話題が出ていた」といった趣旨のことを書くことがあるけれど,その記事を書いている記者だって本当は熟知していたはずなのだ。
日本は,こういうあたりが極めて欺瞞的で駄目な国だと思う。原発関連情報の隠蔽と同じような構造の問題がここにはある。
スポンサーを失うことを怖れて民間がやらないというのであれば,国が情報提供をするしかない。
消費者庁あたりで,提起されているクラスアクションのリストを掲示し,消費者が自分で判断する場合の判断材料を提供したらよいのではないかと思う。
また,そのような判断材料があれば,関連する審議会や委員会等の委員等が間抜けた発言をすることを減らすことを期待することができるかもしれない。
[このブログ内の関連記事]
米国:iPhoneにより位置情報がトラッキングされていたことについて,Appleが提訴される
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/iphoneapple-02d.html
iPhoneは利用者の行動(物理的移動)を密かに追跡・監視している
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/iphone-17d2.html
GoogleとAppleは,スマートフォンのトラッキングにより超巨大な位置情報データベースを構築しているようだ
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/googleapple-91a.html
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