Amazonの事故に関する様々な意見
下記の記事が出ている。
A crack in the cloud: Why the Amazon outage caught so many by surprise
SearchCloudComputing.com: 27 April 2011
http://searchcloudcomputing.techtarget.com/news/2240035254/A-crack-in-the-cloud-Why-the-Amazon-outage-caught-so-many-by-surprise
中には,「当然受忍すべきトラブルだ」という趣旨の主張もあるようだ。
それはそれで一つの考え方だと思う。しかし,もしそうであるとするならば,Amazonは,次のように予め宣言しておくべきだっと思われる。
1) 提供されるサービスの可用性と信頼性は全く保障されない。
2) クラウドサービスの利用者は,その事業継続性を全く保障されない。
3) データストレージサービスではデータが消失しないことが保障されない。
4) システム利用に伴う損失は,一切弁償されない。
これらの事項が明示されている状態で,それでも利用したい利用者は,自己責任で利用すべきだろうと思う。
なお,この問題は,Amazonだけの問題ではない。IBM,HP,CISCO,Microsoft,Googleを含め,全てのオンラインサービスに共通の問題だ。中には,Amazonのシステムに固有の問題であるとして矮小化しようとする議論もあるようだが,これは何らかの意図に基づくものだと推定することができる。
問題を正しくモデリングする能力が必要だ。
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