Amazonの障害は,大学におけるシステムのあり方に関する考え方にも重大な影響を及ぼしている
下記の記事が出ている。
When the cloud fails: Why universities went public anyway
ZDNet: April 22, 2011
http://www.zdnet.com/blog/igeneration/when-the-cloud-fails-why-universities-went-public-anyway/8618
私は,もともと,大学が自前のシステムの構築・運用をやめてパブリッククラウドに移行することに反対だったし,このブログでも一貫してそのように書いてきた。
しかし,現実には,馬鹿な人々がこぞってパブリッククラウドに走った。
皮肉な言い方をすれば,今回のAmazonの事故は,福島第一原発の事故と同様,そうした馬鹿な人たちが本当に馬鹿だったということを自覚させるためには良いことだったかもしれない。
当たり前のことだが,大学のシステムがプライベートクラウドであれば,それを運用している大学のエンジニアが自分で原因を突き止め,合理的に対処することが可能だ。しかし,パブリッククラウドの場合,当該パブリッククラウド内にある仮想サーバの利用者に過ぎない大学は,当該仮想サーバに対する統制を全く有しないので,ベンダの努力を期待しながらずっと忍耐強く待っていることしかできない。一切手出しできないのだ。本当に馬鹿げたことだと思う。企業であれば,それだけで倒産の危機を迎えることになる。
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