米国:原発の状況を調べるためにU2偵察機などを投入
下記の記事が出ている。
米軍、放射能専門家部隊450人派遣準備 日本はアドバイザー利用が有効
産経ニュース: 2011.3.19
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110319/dst11031901090004-n1.htm
この記事の中では,「防衛省幹部は日本政府の後手後手の対応とちぐはぐな情報発信にいらだつ米側が、第1原発で何が起きているか確認させる狙いもあるとみている」と述べられている。
しかし,米国特殊部隊の司令官の立場で考えてみると,まさに実戦訓練の機会なので,この機会を逃すことは許されないと判断するだろう。
また,国防総省の立場で考えてみると,被害状況を直接かつ正確に把握することは,米国の国益そのものだと判断するのに違いない。核ミサイルで攻撃しなくても,民間の原子力施設を軽装備の特攻部隊でテロ攻撃したり,原発施設をピンポイントで狙う遠隔攻撃をするだけで核ミサイルを撃ち込むよりも効果的に相手国に大打撃を与えることができることが今回の原発トラブルで明確になってしまった。
国防総省としては,そのようなテロ攻撃があった場合にどのようなことが発生するかを正確にシミュレートし,今後の国防計画の再検討のための資料とする必要がある。
要するに,米国の国益のために直接必要だからU2の派遣などを実施するのだという極めて冷酷な国際感覚をもっていないと,現時点の政治的状況を理解することができない。
日本としては,仮に現在の政府が社会主義的・反米的な考えをもつ国会議員を多く含む政党によって成立しているものだとしても,自分がこれまで堅持してきたイデオロギーや世界観を全否定すべきだ。そして,「対応を誤れば日本が滅びるかもしれない」という現実と向かい合うべきだと思う。
[追記:2011年3月26日]
関連記事を追加する。
原発内部の映像を公開へ 米無人偵察機「グローバルホーク」が撮影
産経ニュース: 2011.3.26
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110326/plc11032601310000-n1.htm
[追記:2011年3月31日]
関連記事を追加する。
米軍無人偵察機グローバルホークの映像公開しない 北沢防衛相
産経ニュース: 2011.3.31
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110331/plc11033100400000-n1.htm
[このブログ内の関連記事]
特定の機械(ハードウェア)に的を絞って攻撃をしかけるマルウェア
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-893f.html
英国:重要インフラ及び防衛システムに対するサイバーテロの脅威が高まっているとの政府見解
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-db09.html
利己と利他
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-6b76.html
| 固定リンク
コメント