Spyseeはいかん!
以前,Spyseeについて書いた。
私と全く関係のない人を相関図として自動的に示す行為は,明らかにプロッサーの第3類型に属するプライバシー侵害となる。
誤解のないように付言しておくと,私と相関させられている人々が「悪い人」だとか「嫌なやつ」だとか言っているのではない。
しかし,私と全く無関係の人や思想・信条が異なる人と私とに相関関係があるとされることは大いに迷惑だ。私と相関させられた人々にとっても,ひどく迷惑だろう。何しろ,私は,このブログでもそうだが,ものごとをはっきり言うほうなので,嫌う人は嫌う。私を嫌うのはその人の思想・信条の自由に属する。しかし,私に対する嫌悪の巻き添えになって,私と相関させられた人々まで迷惑が及ぶようでは非常に困る。私が放置すれば,私と関係があるとされた人々から私に対する損害賠償請求だって(理論的には)あり得ると考えている。
以前このブログでSpyseeを問題にしたときは,サイト側に苦情を申し入れ,サイト側で自主的にデータを削除したので,それで終わりにしてやることにした。武士の情けだ。
しかし,偶然に復活していることを発見した。おそらく,誰でも勝手に登録できる仕組みになっているのだろう。
このようにサイト管理者が自分の意思で全ての相関データを管理することなどやりたくてもできない状態で,プロッサーの意味でのプライバシー侵害や一般的な意味での名誉毀損行為が自動的に生ずることからすると,そのようなシステムは,それ自体として違法な存在であることが明らかだ。また,名誉毀損の場合には,一定の違法性阻却事由があるけれども,このシステムでは自動的に(または管理者の主観的意図とは無関係に)関連付けがなされるという点で表現者の思想・信条の自由や表現の自由を基礎とする違法性阻却事由が常に成立しないと解する。この点は,すべてのタイプの自動プロファイリングについても言えることなのだが,Spyseeでは特に違法性が強いと考える。
私が本気になる前に,自主的にこのサイトの運営を終了することを望む。
なお,サイト管理者に対し,下記のとおり,抗議のメッセージを送信した。
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以前も抗議したことがありますが,また私のプロフィールが掲載されています。
怒りを覚えます。
関連データを完全に削除した上,以後,「夏井高人」という名では絶対に誰も登録できないようにしてください。
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/spysee-cbc0.html
速やかに対処されない場合には,サイト運営停止の仮処分を申し立てるかもしれません。
速やかな対処を期待します。
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[このブログ内の関連記事]
フランス:ある男性について「強姦」等のキーワードと自動的に関連付けをしたことが名誉毀損に該当するとして,Googleに対し,5,000ユーロの損害賠償金の支払いを命ずる判決
http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/google5000-8954.html
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