オーストラリア:他の官庁の依頼により傍受することのできる権限を付加する通信傍受法の改正法が上院で可決
下記の記事が出ている。
More interception, less scrutiny as Oz Senate passes new laws
Register: 2 March 2011
http://www.theregister.co.uk/2011/03/02/more_interception_in_oz/
この法案の原文は,下記のところで入手することができる。
Telecommunications (Interception and Access) Amendment Bill 2010
http://parlinfo.aph.gov.au/parlInfo/download/legislation/bills/r4196_aspassed/toc_pdf/09163b01.pdf
日本国の現行の通信傍受法は,特定の犯罪について,犯罪捜査の必要があるときに限り,裁判所の発する傍受令状に基づいて実施することができる。
オーストラリアの法案は,通信傍受できる場合を日本国よりも相当大きく拡張していることになる。
テロ対策ということなのだろうと思うが,基本的に,ネット上では秘密を維持することができないと考えたほうがよさそうだ。
ベストな対応策は,「最も重要な機密については絶対に符号化しない」ということに尽きる。符号化しなければ,スパイウェアによって奪われることもないし,通信中に傍受されることもない。どうしても文字化する必要があるときは,物理的に紙等の上に文字化し,耐火金庫の中に厳重に保管し,その内容の複製や通信回線を通じた伝送を厳禁とするのがベターということになるだろう。
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