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2011年3月16日 (水曜日)

震災後の建築基準等の見直しの必要性について

建築学や消防関係の専門家が既に調査・検討に着手しているだろうと想像するが,やはり見直しが必要な部分がある。

1) 単純に耐震性だけを問題とするのではなく,水没,洪水,津波,山崩れなどの可能性のある地域では,それに見合った強度とするよう建築基準の抜本的な見直しが必要だ。都市部のビルの中で耐震基準を満たしたものでは,期待どおりの性能を発揮してくれたと思う。もし厳しい耐震基準がなければ,日本の惨状は再起不可能なものとなっていたに違いない。日本の耐震基準と建築技術の優秀性を実証できたことは世界に対して誇れることの一つではないかと思う。しかし,今後は,一律な耐震基準等だけではなく,立地条件等に適切に対応したものに改善・強化していかなければならない。

2) 仮に芸術家等の反対があったとしても,装飾性の高い壁面構造物等の設置や奇抜すぎるデザインの建物の建築・建設をを禁止すべきだ。振動や衝撃に対する強度の問題があると考える。街中が無骨な建物ばかりになってしまうかもしれないが,失われなくてもよい人命を失わないようにすることのほうがずっと重要なことだ。日本は,質実剛健国家として再建されなければならない。

3) 道路については,相当強い水圧等がかかっても崩壊しない構造とすることを義務付けるべきだ。日本では,同じ箇所を何度でも工事できるよう,意図的に強度を弱めている道路が数え切れないほどたくさんある。隠すことなく事実を事実として認め,対応策を考えることが大事だ。

4) 自然にまたは人工的に地下が空洞になっている部分のある地域では,それに対する対策を急ぐべきだ。地盤の強度が通常よりも弱いことが予想される。

5) 海浜については,海岸線から何キロか陸地に入ったところを防御線と定めて頑丈な城砦のような防波壁を構築し,その防波壁と海岸線との間には,原則として,人の居住を認めないものとすべきだ。

6) 従来耐震性を要求されることがなかったと思われる建物内の天井部分等についても耐震基準を定め,徹底すべきだ。

7) 化学工業施設等については,どの施設においても,最大規模の地震でも耐えられるように基準を定めるとともに,自動消火装置を大規模に設置することを義務付けるとともに,義務違反がある場合には業務停止などを迅速に命ずることができるようにし,それに対する不服申立や行政訴訟を迅速かつ適正に処理することができるようにするための法制整備を進めるべきだ。

8) 老朽化し,耐震性を含む耐災害能力が低下している建築物については,強制的に除去することができるようにするための法制整備を進めるべきだ。

9) 新幹線を含め,大量輸送のための交通手段については,更に耐震性を改善することを国として奨励・推進すべきだ。今回のような大地震でも新幹線の車両が安全に自動停止できたことは世界的にみても最大限に驚嘆・賞賛すべきことだと思う。しかし,その状態に安住してはならない。もし改善可能なことがあるのであれば改善し,更に高いところをめざすべきだろう。

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