クラウドコンピューティングは,現実世界の金融や投資に対して重大な悪影響を及ぼす
下記の記事が出ている。
Risk Evaporation: Cyber Risk Visibility for Cloud Computing Futures
Financial Risks Patterns in Cyber Space
SYS-Con Media: Mar. 8, 2011
http://www.sys-con.com/node/1741826
これまた誰が考えても当たり前のことだし,私がこのブログで何度も指摘してきたことだ。とにかく,弁護士,公認会計士,上級エンジニア,上級ディーラー,マスコミなどを含め専門職であればあるほど史上空前の大量失業の危機を招くことになるし,特定少数のパブリッククラウドサービス提供国を除いては,世界各国の知的レベルと技術レベルを根幹から破壊する可能性がある(特定少数の国は,最終的には崩壊する。なぜなら,顧客となるべき各国の企業や専門家などの大半が倒産・失業してしまう結果,勝利すれば利用者が消滅するという必然的に生ずる自己矛盾を免れることができないからだ。)。しかし,私がいくら力説しても耳を傾けてくれる人は少ない。外国の権威ある人が書いた論説であれば読んでもらえそうなので,紹介する。
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(余談)
政治学の世界では「独裁者のパラドックス」という有名な格言のようなものがある。
つまり,独裁者は,独裁者ひとりだけでは独裁者になれない。独裁される多数の者に依存する存在だということだ。
もし,独裁を達成することによって独裁される者が死滅してしまうと,その者は独裁することができない。
カダフィ氏が独裁を継続しようとしてリビア国民に対する殺戮を強化すればするほど,彼を支持し独裁されることを望むようなタイプのリビア国民が激減することになるだろう。
ビジネスの世界も同じで,世間はそんなに単純な構造にはなっていないので,一人勝ちを達成したとたんに顧客が死滅しているという関係が成立することがしばしばある。独占禁止法違反になるかどうかではなく,純粋に経済学上の問題として,オープンな経済環境においては,独占の成功は,独占の失敗を帰結するという法則が成立し得るのではないかと考えている。
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