放射性物質は,海に流出しても拡散するから大丈夫?
下記の記事が出ている。
放水口付近の海水から基準の1250倍 ヨウ素131を検出 福島第1原発
産経ニュース: 2011.3.26
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110326/trd11032611110003-n1.htm
ヨウ素131の半減期が短いということを理由としているのであれば,少しは意味がある。
しかし,セシウムの場合にはそうではない。
チェルノブイリ原発の事故との関係でも,その後,生態系の中における食物連鎖等を通じて半減期30年のセシウムが次第に濃縮されているようだということが指摘されている。ただし,セシウムに発がん性があるかどうかを含め,セシウムの生体に与える影響についてはまだ未知数の部分が多く,よくわかっていない。とは言っても,セシウムが放射線を出しながら崩壊するとバリウムに変化するが,バリウムについてはある程度のことが分かっている。立派な大学を出た専門家がいっぱいいるのだろうから,ちゃんと研究して欲しい。
他方,政治的・社会的影響も考慮しなければならない。
日本でさえ不安神経症的な症状を有する人が既に多数あるのではないかと推定されるが,もし海流に乗って米国西岸でも放射性物質が海水中から検出されるようになると,かなり大きな政治的・社会的影響はある。
為政者たる者は,これらのことすべてを常にマルチタスクで考え判断する能力を有していることが求められる。個人では無理という場合には,組織として行動するようにできるための指導力が不可欠だ。
日本においては・・・悲しい現実がある。
日本の政府が役に立たないとなると,日本の政府を米軍または国連軍の指揮下に置いて対処するといった事態の到来も想定しなければならない。
[追記:2011年9月15日]
関連記事を追加する。
流出のセシウム、北太平洋を循環 20~30年で
共同通信: 2011/09/14
http://www.47news.jp/CN/201109/CN2011091401000033.html
結局,日本に戻ってくるということになる。
このような場合,東電の損害賠償責任の消滅時効についてどのように考えるべきか,関係者はしっかりと検討しておく必要があると思う。
[追記:2011年10月9日]
関連記事を追加する。
東日本大震災、津波漂流物の調査航海 米環境団体が計画
AFP: 2011年10月08日
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2833570/7893458
| 固定リンク
コメント