視るにたえないテレビキャスター
我が家では,度重なる余震により家屋の崩壊箇所が増えてきてしまっている。一見無傷のようにみえる家屋でもそういうところが多いのではないかと思う。いったん出るようになった水道も再び出なくなってしまった。
しかし,どこもかしこもそんな状況なので,修理の人も予約いっぱいで来てもらえない。
もし家屋が崩壊するようなことがあれば,これまで蓄積してきたものすべてを捨てて,近隣の公民館かどこかに避難するしかない。
やっと室内の片づけを終えたが,そういう状況だ。呆然としていられればよほど気楽だろうと思いたくなるくらいだ。しかし,私にはしなければならないことがいっぱいある。そんな気分だ。
第3グループの停電が実施されなかったらしく,電気が来ているので,ときどきテレビを視ている。
民放局で,人気があるのかどうか知らないが,勢いがよいだけがとりえで,被災者の神経を逆撫でするような言動が多く,自分の主観を押し付けるだけでの者がいる。レベルが低すぎる。偉そうに主役きどりの言動が目立つ。いったい自分を何様だと思っているのか。速やかに解雇するか,もっとまともな人間と交換しないと,震災が落ち着いた後,「感じ悪い」と思いながら視ていた視聴者から逆襲される日が必ず来るだろう。
今回,実に多数のキャスターやアナウンサーを目にしているが,度胸がすわっており,きちんと仕事をしている若手の女性アナウンサーや,自分自身が被災者の一員なのに適切に報道の仕事に従事・精励している地方局の若い記者がいるかと思えば,全国的に知名度が高くても「これは馬鹿だ」と思うしかないような男性キャスターもいる等々,いろんなことを理解した。
起用する際の判断に何か誤りがあったのだろう。
あくまでも一般論だが,娯楽番組やスポーツ番組で才能を発揮するタイプの者は,ニュース番組等での適性に著しく欠けていることが珍しくない。人間は,自分の才能・適性に合った仕事をすべきで,そうでない仕事はすべきでないと思う。
ところで,一被災者としての私が知りたいのは,やはり,基本的なファクト情報だ。
例えば,JR常磐線の不通になっている区間について,その原因を知りたい。電力不足,施設の破損,被災状況の調査未了,土砂崩れなど,様々な原因があるだろう。
もちろん,その原因を知ったところで私が何もできるわけがないことは当然だ。
けれども,その原因に応じて,出勤の関係やら何やら今後の対応を判断することができる。ファクト情報がなければ,何も判断できない。
現実に,いつも通勤に使っている駅のすぐ近くの線路上に停止したままの通勤電車の姿を目にする度に,そう思うのだ。
テレビ局は,何を報道すべきかについて基本的に判断を誤っているのではないかと思うことが多々ある。
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以下は,テレビ局とは無関係の記事。
別の記事でも書いたとおりだが,物流の確保を最優先にするため,物流のためのトラック等を是非とも緊急車両扱いにしてほしいと思う。物資が不足しているのは,重大な被害を受けた東北地方などの被災地だけではない。首都圏全体も同じなのだ。
私の住んでいるところは,都心からかなり離れたところなので,いざとなれば直接に農家と交渉して食べ物を売ってもらえるかもしれない。しかし,都心部では,基本的に消費するだけで食糧生産は何もしていないので,あっという間に在庫が底をつくことになるだろう。こちらの農家から出荷したくても,トラックが高速道路を利用できなければどうにもならない。一般国道は,基本的にひどい渋滞等のため利用できないのに等しい状況にある。
ただ,こちらの生産者も地震でひどいダメージを受けているので,どれだけ出荷できるかは私もわからない。
逆に,加工食品等を含め,工業製品がこちらに来ない。
物流さえ確保されれば,パニックで買いだめする人も減るだろうと思うが,現状では,パニックに陥る人々を責めることができない状態だと思う。
一般論だが,効率化だけを考え,役割分担を極端に細分化してしまった社会構造はとても弱い。部分と部分との間で相互にバックアップの関係を構築することが難しくなるのだ。
震災後においては,効率化だけを目指す社会ではなく,別の観点で社会を再構築するのでなければならない。
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