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2011年3月24日 (木曜日)

女川原発の放射線監視施設も壊滅的打撃を受け,測定不能になっていた

下記の記事が出ている。

 女川原発の緊急時拠点が津波で壊滅 放射線監視システム不能に
 産経ニュース: 2011.3.24
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110324/dst11032411430026-n1.htm

くどいかもしれないが,どうして被害を受けそうな場所に重要施設を作るのか,私には理解できない。

被害を受けそうにない場所を見つけるのは,簡単なことだ。

それは,古墳時代の古墳が破壊されずに残っている場所(古墳文化圏でない地域については,同等の海抜以上のところにある台地など)だ。たいていは相当の高台にある。古代の人は,津波の恐ろしさを知っていたのに違いない。

私は,大学の講義の中でこのことについて何度も触れてきた。学生がまじめに受け止めたかどうかはわからない。しかし,きっと現時点では,私の授業をもっとまじめに受けていればよかったと後悔していることだろうと想像する。

私は,特に優れた人間だとは思っていない。だからこそ,古代の人々の工夫の痕跡を常に追い求める。そして,遺跡等がちゃんとしたかたちで残っているところをみつけると,古代の人々の凄さのようなものをいつも心底実感する。それを自分の学問の中で応用し,活かしているだけのことだ。

人間は,謙虚でなければいけない。

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(余談)

学校などが避難場所に指定されていたのに,その学校で被災した人が多数ある。

「学校でありさえすればどこでも安全」などということは絶対にあり得ないのだが,しかし,中には比較的安全な学校もある。

それは,明治時代に設置された学校だ。

その多くが,旧藩の城跡などにつくられており,そのような場所は比較的安全なのだ。

かつて,大名等は,風水学に長けた者を採用し,その意見に基づいて,天災地変に強く,敵からの防御力も高いところに城を構えた。適地を選択しなければ領地を維持することができず一族滅亡してしまうかもしれないという危機感の中で吟味して選んだ場所なので,防災力が高い。

もちろん例外もあり,例えば,今川氏の城であった駿府城は寛永の大地震でほぼ全壊した。おそらく,今川氏は,風水を軽んじたのだろうと想像される。

さて,そういうわけで,かつての城跡であったところにある学校は,現在でも避難場所として適している場合が比較的多い。

しかし,そうでないところにある学校では,安全である保障など何もない。

「なぜ学校を避難場所にするのか?」という本質部分をきちんと理解できない者は,防災の担当者としては適任とはいえない。

[追記:2011年3月25日]

関連記事を追加する。

 原発、明暗分けた津波対策 女川は避難所に
 産経ニュース: 2011.3.24
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110324/dst11032422350077-n1.htm

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