原発トラブル対応に盲点はないか?
1号~3号については,マスコミでも何度も報じられている。とにかく,被害発生を最小に抑える努力をして欲しい。どうやっても被災者や犠牲者をゼロとするという制約条件の下で今回のトラブルに対応することは絶対不可能であり,必ず誰かが犠牲者にならなければならない。要するに,死を覚悟で作業に従事する者が大勢必要になるという冷酷な事実を認めるべきだ。そして,もしそのような者が一人もいなければ,なるようになるしかならない。当然,一事業者の労災事故というレベルでは評価しきれないような事態が発生し得ることになる。
ところで,最初から機能停止中っだとされる4号等(1号~3号以外)の原子炉についても,大地震によるダメージは発生していると思われる。もし原子力燃料がその中に収めたままになっているのであれば,実は1号~3号と同じトラブル(水漏れや蒸発による過熱等に起因するトラブル)が発生する可能性を否定することができない。
ちゃんと確認できているのだろうか?
緊急対応としての優先順位は,実は1号~3号と変わらないという当たり前のことを冷静に判断できている人がちゃんといれば良いのだが・・・
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なお,記者会見をみていると,要するに記者のスタンドプレーのためのスタンドプレーのような質問が多すぎる。予定原稿のとおりに言質をひきださないと締め切りに間に合わないということもあるのかもしれないが,それでは本末転倒だ。
とにかく時間がないので,無駄なところで時間を空費することは,国民全体に対してダメージを発生させる原因のひとつを当該新聞記者の我欲がつくりだしていることになる。
責任追及をしたり批判したりするのはあとからいくらでもできるだろう。
今は時間という要素が最も大事だということを理解してもらいたいと思う。
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[追記:2011年3月15日11:40]
4号が火災になったようだ。
福島原発は,第一,第二とも直ちに廃止とし,原子炉内の水分がすべて蒸発して外に出たら,とにかくセメントの山で埋めてしてしまわなければならない。
もともと日本の原子力発電は,廃炉とする場合の炉心除去の方法を一切考えないで始めたものだ。そして,現時点でもその方法が全く見つかっていない。
原発事故の実例は,チェルノブイリとスリーマイルしかない。近似性としては,スリーマイルよりはチェルノブイリの事例のほうが似ていると思われる。そうであると一応考えるので,チャルノブイリの際になされたのと同様,大量のコンクリートの山で封じ込めてしまうという以外の方法はないだろうと思う。
それでも半減期が経過するまでは一定程度の放射線放出が続くので,周辺地域は立ち入り禁止区域とせざるを得ないだろう。
問題は,そのような作業を誰がやるかということなのだが,もし誰もやらないのであれば,東京電力本社ビルを含め,首都を含む関東地方と東北地方のすべてがこれから先ずっと何十年も汚染され続けることになる。この点において,広島と長崎の原爆よりもひどい事態になっているということを正しく認識しなければならない。核爆弾は非人道的な兵器であり,巨大な破壊力をもっている。しかし,その爆発は1回で終わりだ。広島も長崎も,戦後ちゃんと復興した。ところが,何も処理しないでいると,原発はそのままずっと放射線を出し続ける。その重大な相違をきちんと踏まえて,何をすべきかを決断しなければならない。
どちらにしても,今後,原子力発電所による電力供給が非常に難しい事態となるだろう。
国は,根本的なところで方向転換をしなければならない。
「エコ」という名で始めた巨大な「電化政策」を基本的に変更しなければならない。
[追記:2011年3月25日]
関連記事を追加する。
3号機も放射性物質が大量漏出の恐れ 「原子炉損傷の可能性も」保安院
産経ニュース: 2011.3.25
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110325/dst11032512360028-n1.htm
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