京大のリモートカンニング事件に関する報道は少しおかしいのではないか?
被疑者は,未成年者だ。
結論から言うと,少年法3条1項の何号に該当するかについては見解が分かれるとしても,保護観察処分(少年法24条1項)が相当と考える。
事件の重大性を否定するわけではない。
しかし,感情的になってはならないし,公平でなければならない。
同種の事案について,米国等の事例を調べてみると,保護観察とするのが一般的のようだ。
そして,今回の事件では,公開の掲示板で回答を求めたというものだから,手口としては比較的拙劣な部類に属する。
さしつかえがあるので書かないけれど,もっと巧妙な手口は実在する。それを見抜くことは極めて困難だし,検証(捜査)をすることも難しい。この私でも騙される可能性がある。
そして,既に何百人もの者がリモートカンニングにより大学入試で合格しているかもしれない。
要するに,現在の大学では,最新の電子機器を用いたリモートカンニングに対応できる体制ができていない。それは,入試を実施する大学の側での時代遅れの発想と怠慢によるものとしか言いようがないのであり,今回の事件の被疑者だけを一方的に責めるのはどうかと思う。
なお,今回の事件は入試に関するものだが,企業内でも同種のリスクが常にある。産業スパイは日々何千人も活動している。にもかかわらず,今回の事件の大学当局と同様,最新の電子機器によるスパイ行為について無関心または無知な企業があまりにも多すぎる。
私は,このブログで,スマートフォンの企業内への持込みのリスクについて書いたことが何度かあり,批判のコメントを受けたこともある。
しかし,私の信念は揺るがない。私は,正しい意見を述べている。
要するに,最新の電子機器の性能について,あまりにも無知,無思慮であり,まともに対応策を考えていない経営陣が多すぎるということに尽きる。
日本には,OECDガイドラインが推奨している「情報セキュリティの文化」が存在しないのかもしれない。
[追記:2011年3月4日18:10]
関連記事を追加する。
「騒いで未成年逮捕させた」「監督こそ問題」京大に年配者らから抗議殺到
産経ニュース: 2011.3.4
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110304/crm11030412140018-n1.htm
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