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2011年3月28日 (月曜日)

もし大津波が沖縄を襲ったとしたら

沖縄には山地や高台が乏しい。

おそらく,全滅に近い状態になる。

そして,生き残ったわずかの人々を救うことができるのは,自衛隊と米軍しかないだろう。なにしろ,本土から沖縄に通ずる道路はないし鉄道もない。飛行場は海岸近くにあり,すべて破壊されてしまっていることを想定しなければならない。港湾施設も完全に駄目になってしまっていることだろう。

さて,なぜ沖縄を例にあげたかと言うと,沖縄に問題があるからではなく,日本の防災を考える上で非常にわかりやすいからだ。

本州にある都市であっても,モデルとしては,実は沖縄と何も変わらないところがいくらでもある。

だから,今回のような高さ10メートルをはるかに超える大津波が襲来しても沖縄を完全に守ることができるようにするにはどうするかを考えてみれば,日本の都市の多くを守ることができるようになる。

防災学者は,東京のことや大地震が予測されている地域だけに目を奪われていると,基本的なモデルの設計を誤ることになる。

猛省を求める。

また,政治的な理由により自衛隊や米軍の存在それ自体に反対している人々は,自衛隊や米軍が存在しない状況でも被災地を救済し復興させるためにはどうしたらよいのかを真剣に考え,具体的な代替策を提案すべき義務があると思う。そこで考える場合のポイントは,被災地に存在している行政,(米軍と自衛隊が存在していた場合には)米軍と自衛隊,災害救助隊,警察,消防などの組織,電気・水道・ガスなどの設備,貯水用ダム,燃料貯蔵施設,高速道路などが基本的には全て完全に壊滅してしまっているという状況を想定するということに尽きる。

沖縄の場合,救援という名目で中国が大軍を急派し,以後,半永久的に実効支配を奪ってしまう可能性がある。そして,このことは,沖縄以外のどの地域でも基本的には同じだ。例えば,北海道の場合にはロシアが同じ対応をすることになるかもしれない。

私見では,いざというときに国防及び治安のための軍として機能することが可能な防衛組織を国が保有し,それを組織的な救援活動のために使うことができるようにするという選択肢しかないと考える。

なお,同様のことは世界各国の沿岸地帯等では常に発生し得るのだから,世界各国の人々は,真面目に大地震と大津波のことを考え,そのような大災害に対応するためには「国家的な防災組織のあり方はどうあるべきか」を真剣に検討すべきだと思う。

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(余談)

高さ9メートル以上の大津波が襲来し,小さな島の集落などでは壊滅的な打撃を受ける危険性は,去年のサモア大地震の際に実証されていたと言える。

 南太平洋サモアでM8.0の強い地震、少なくとも28人が死亡か
 AFP: 2009年09月30日
 http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2647777/4691694


[追記:2011年4月28日]

関連記事(論文)を追加する。

 沖縄の災害情報に関する歴史文献を主体とした総合的研究( 資料編2:首里王府仕置・久米島・両先島関係 )
 http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/123456789/8987/10/17320100-8.pdf

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