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2011年3月20日 (日曜日)

福島原発事故と,チェルノブイリ原発事故及びスリーマイル島原発事故との相違点

下記の記事が出ている。

 福島原発事故、二大事故との違い(1)
 ナショナルジオグラフィックス: March 18, 2011
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110317001&expand#title

 福島原発事故、二大事故との違い(2)
 ナショナルジオグラフィックス: March 18, 2011
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110317003&expand#title

この記事で注目すべき点は,チェルノブイリやスリーマイル島の事故では,情報が操作され,非常に長い間,本当は何が起きていたのかが国民に知らされていなかったという点だ。

現在,国際社会からは情報の開示が遅いとの批判がある。しかし,米国にしろロシアにしろ,そのような批判をする資格はないのではないかと思う。隠蔽体質は,米国やロシアのほうがもっと重度だと思う。

とはいえ,既に入手して開示可能な情報を開示しないことは許されない。

他方で,この記事では,コンピュータが発達した現代では,被災状況に関する情報をより正確に把握しやすいとの指摘がある。たしかに,コンピュータが生きていればそのとおりだと思う。

しかし,今回の事故では,津波で電源のすべてが破壊されてしまったのだ。そして,電源がなければ,コンピュータはただのガラクタに過ぎない。この点は,コンピュータによる制御の最大の弱点であると言える。この論説の筆者は,そのことをちゃんと理解していないのではないか。つまり,この論説の筆者もまた今回の事故について正しい状況把握をしているわけではないということを理解することができる。

この事故については,誰でも評論家になれるだろうと思う。私もそうだ。

しかし,安全装置の大半が破壊され,電源もなく,大混乱の状況の下で得られる情報だけをもとにしてあれこれ論評することは可能だが,その中のどれが一番正しいのかを測定する方法はないと思う。

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