東京海上日動火災保険で1700件(個人1500件分+法人200件分)分の顧客情報が記録されたUSBメモリ紛失
下記の記事が出ている。
顧客情報1700件紛失 東京海上の仙台支店
産経ニュース: 2011.3.7
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110307/fnc11030712290007-n1.htm
USBメモリの記録が暗号化されていれば,被害の発生を最小限に抑えることができる。様々な暗号方式の中でも,USBメモリの中の記録だけでは情報内容を再現できない分割暗号方式等を用いている場合,紛失や盗難等の被害をほとんどゼロに抑えることが可能と思われる。
なお,あくまでも一般論だが,UESメモリやノートPCの紛失事件の中には,紛失事故とみせかけた情報リークの場合があり得る。当該紛失等の事故を起こした従業員等は,懲戒処分を受けることになるだろうし,最も重い処分の場合には懲戒解雇ということになるかもしれないが,情報移転先から就職の斡旋等の誘惑がある場合には,懲戒されても痛くも痒くもないということがある。通常の企業経営者は捜査官ではないので,従業員の嘘を見抜くことは難しいかもしれないが,そういうこともあり得るということは常に頭のどこかに置いておかなければならない。
なお,この関連で3月30日にセミナー講演をすることになった。通常,情報漏洩があっても刑事・民事の責任を問うことは難しいと思い込まれているかもしれないが,必ずしもそうではないという点を明らかにし,そのようにするためには平素どのような工夫をする必要があるのかを解説するセミナーにしたいと思っている。平素,何の工夫もなければ,やはり打つ手はないかもしれない。
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ダイアモンドオンライン: 2011年3月4日
http://diamond.jp/articles/-/11367
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