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2011年2月20日 (日曜日)

新聞産業の衰退

最近,全国紙の新聞販売店と思われるところから何度か新聞購読の勧誘電話を受けた。なぜ私の電話番号を知っているのかは知らない。電話帳には掲載していないので,どこかから名簿か何かを入手したのだろう。極めてけしからん。

それはさておき,こうやって勧誘電話をかけまくらなければならないくらい新聞販売店の業績が非常に悪いということを示唆しているのではないかと推測する。

新聞が売れないのだ。

売れない原因ははっきりしている。それは,新聞社が唯我独尊の記事を垂れ流すだけで金儲けできることに安住し,経営改善努力をしてこなかったからだ。

現実的に考えた場合,どの家庭でも家計が厳しいので,月何千円かの支出をするかどうかを極めてシビアな眼で判断している。新聞に対して支出するメリットがなければ,当然支出しない。

メリットとは何か?

それは,新聞紙でなければ得られない情報を得ることができるということだ。しかし,報道記事の大半はネットや携帯でも読むことができる。ネットで読むことのできない記事(社説の一部など)を読む読者はほとんどいない。主筆の主観としては,社説こそ新聞の生命だと思っていることだろう。まさにそうでなければならない。ところが,少しも面白くなく,客観性を欠いた唯我独尊の記事にあふれており,お金を出してまで読む気がしないのだ。

他方,ネット上での情報提供という面でも問題がある。これまでも繰り返し書いてきたことなのだが,日本の新聞社がネット上で提供する報道記事はかなり短期間にネット上から消滅してしまう。「バックナンバーを読みたければ有料のデータベースサービスを受けろ」という趣旨なのだろう。しかし,海外の報道記事では何年も前の記事を今でも検索可能なものが多いということと比較してみると,いかにも日本の新聞社の情報産業としての自覚と責任の薄さが明々白々に見えてきてしまうのだ。これでは,誰も信用しないし尊重もしない。

更に,地方紙では,新聞の折り込みちらしによってスーパーマーケットなどの特価品を知るというメリットはあった。ところが,現在では,スーパーマーケットで直接にミニコミ的な特価情報提供媒体を無料で配布している。つまり,折り込みちらしに頼る必要性が乏しくなってきている。これは,スーパーなどで直接配布したほうがコスト的にメリットがあるから,そうなってしまったのだろうと思う。

こういうわけで,現在の新聞には良いところが一つもない。

誤解を避けるために付言しておくと,私は,新聞社を忌み嫌っているわけではない。厳しい状況の中で取材する能力をもっているのは現実問題として報道機関だけであり,個人では全く無理だ。それだけに,新聞社の社会的機能は極めて重要だ。

新聞条例等によって厳しく言論弾圧されていた当時の新聞社は,資金的にとても厳しい状況の中で,かつ,当時の官憲に常に睨まれ弾圧されている中で,言論の自由を守るために頑張っていた。

けれども,現在の新聞社は,莫大な利益と社会的地位(社会的権力)の上に胡坐をかき,経営改善の努力を怠っている。このままの状態が続けば,おそらく多数の新聞社が衰滅してしまうことは間違いない。

社会基盤が根本的に変化してしまった現代の状況に即応できるような新聞社に生まれ変わってほしいものだと思う。

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