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2011年2月12日 (土曜日)

TBSの番組が著作権法違反となる可能性

さきほど,たまたま居間を通ったら,妻がTBSの視聴者投稿ビデオ紹介番組を視ていた。

そのときに流されていたのは,任天堂のスーパーマリオのキャラクタと音楽を使ったコマ撮りビデオだった。高校生が作成し投稿したものとのことで,その努力は賞賛に値する。

しかし,スーパーマリオのキャラクタと音楽の著作権は任天堂が保有するものであり,その作品は,任天堂が有するキャラクタと音楽の著作権を侵害している。

そして,更に問題なのは,何の問題意識もなく著作権侵害物をテレビ放送しているTBSの経営姿勢にある。

著作権侵害物を放送したテレビ局だけではなく,出演者全員が共同正犯的に違法行為をしていたとみるべきかどうかは論者によって異なるだろう。

なお,この行為は,著作権法だけではなく放送法にも抵触する可能性がある。

監督官庁は,厳重な行政指導を検討すべきだと思われる。

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誰でも投稿できる動画投稿サイトの中には,この手の作品がいくらでもある。

しかし,動画投稿サイトの大半では,適法性審査のプロシージャが存在しない。

いろいろな考え方があるけれども,そのようなプロシージャがないサイトは,原則として,サイトの存在それ自体として「違法なサイト」であると考えるべきではないかと思われる。

なお,テレビ番組をネットコンテンツとして送信するビジネスが今後拡張するものと思われるが,ここでもまた同じ問題がある。もしコンテンツの適法性審査のプロシージャが存在しなければ,ビジネスモデルそれ自体として違法であると考えるべき余地がある。

詳しいことはかけないが,今後,ノーティスアンドテイクダウンだけでは済まされない時代が必ず来る。プロバイダは,そのことを念頭に置きながら,ビジネスモデルと約款の根本的な見直しをしなければならないだろう。

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