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2011年1月15日 (土曜日)

ゼロサム経済は本当はジリ貧経済

海外に対する侵略や略奪をせず,貿易による等価交換しかないと前提した場合,等価の富と富の交換しかないから,富の実質的増加はない。地球は,現在,そのような状態になっている。これは,全体としてみるとゼロサムだと言ってよい。

しかし,本当は,消耗し消滅する物品が普通なので,物品の対価として交換された紙幣等は常に額面価値を低下させ続けていることになる。このことは,あらたに消費財が生産された場合でも基本的には同じ。

現在証券投資などに使われている膨大な資金は,将来の購買能力を示す期待値のようなものに過ぎないから,本当はそれだけの価値があるかどうか誰もわからない。将来のある時点で,資金との交換対象である物品が(戦争や天災等により)すべて消滅していたとしたら,資金はただの紙くずに過ぎない。

要するに,誰もわからない未来に対する期待値だけがここにある。

日本の経済だけに限定した場合,将来の税収入という期待値の奪い合いが存在している。

しかし,現に収入を得ている世代の可処分所得を極大化するような方策が講じられない限り,経済の回復は絶対にあり得ない。つまり,期待値としての年金や社会保障の極端なカットをすることなしには(=社会福祉の放棄),解決する方法が何もないというのが事実だ。そのような方針が正しいか正しくないかではなく,実際そうであるかどうかが大事なポイントだ。

そうやって国民の中の大きな部分を犠牲にするのでなければ,対外的に侵略をするしかなくなる。現実にそのようにしようとしている国もあるだろう。

だから,世界戦争は避けられない。

ただし,その世界戦争は,新たな様相を呈することになる。

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