サイバー戦は世界経済を崩壊させる危険性があるとのOECDによる調査結果
下記の記事が出ている。
Risks of cyber war 'over-hyped' says OECD study
BBC: 17 January 2011
http://www.bbc.co.uk/news/technology-12205169
ここでいうサイバー戦とは,オンラインでリモートによる攻撃がなされることを前提にしていることに注目すべきだろう。もちろん,スパイの活動等により,オフラインのシステムに対する攻撃も可能なのだが,攻撃の規模及び同時性という点において大きく異なる。
さて,もし私が特定の国家において重要な地位を得ていたとしたら,きっと次のような戦略を構築しただろうと思う。現にあるかもしれない。
1:自国政府においてクラウドによる集中管理を積極的に推進した上で,その脆弱性を徹底的に研究する。
2:1と併行して,フェイルセーフのための非集中(分散)システムを構築し,1のクラウドシステムが破壊されても何らの影響も受けないような状態をつくりだす。
3:1と併行して,マスコミなどを総動員し,次世代はクラウドの時代だと世界中に信じ込ませる。
4:3と併行して,仮想敵国に対しては,徹底してクラウドの売り込みをし,その売り込みをする企業には機密資金の提供もする。
5:世界の趨勢がクラウド化(集中化)した時点で,効果的にクラウドを破壊する攻撃をしかけ,世界に対する支配権を確率する。
以上のような戦略に対する防御は,ひとつだけだ。
それは,カウンターとして2を重視するということだ。つまり,クラウドによるコスト削減は一切考えず,むしろコストが2倍以上に増えることを覚悟で,表面的にはクラウドのブームに乗っているように見せかけながら,その裏ではフェイルセーフのための分散システムを構築・運用するということだ。
子供でも理解可能な理屈だと信ずる。
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会員向けに発行しているニューズレターに収録した「魔法の指輪」では,OECDの調査結果のような検討結果が公表されるだろうということを見越した上で,近未来のコンピューティング環境を暗喩するストーリーを展開してみた。
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