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2010年12月 6日 (月曜日)

プロバイダビジネスの問題点

ある人と情報交換をした。

過去半年くらいの間,日本のプロバイダの中で,ガンブラーの被害にあったところやバグによりアクセス制御が正常に機能していなかったところなど,問題のあるサイトが少なからずあったらしい。その中には,非常に有名な大手プロバイダも含まれている。

問題は,そのような出来事があったということが迅速かつ明確にアナウンスされていないということだ。むしろ,全くアナウンスがないというのが普通だ。

これは,消費者保護上極めて問題なだけではなく,ビジネス利用者にとっても非常に危険なことだと思う。

もしアナウンスがきちんとなされていれば,利用者としては自分が記録しているデータなどが大丈夫かどうか点検することが可能だが,アナウンスがなされなければ特に何も心配することなく,重要なデータをWeb上に記録し続けることになる。

また,一般論として,そのようなプロバイダは,企業としての社会的責任を果たしていないと評価することが可能だろう。

どんなに防御しようとしても,攻撃されるときは攻撃されるし,破られるときは破られる。これは不可避のことであり,ネット上に「鉄壁」など絶対にあり得ない。

だから,説明責任を果たすということがむしろ重要になる。

きちんと対処してほしい。

ちなみに,私は,重要なデータをWeb上に置くことはないし,Web上のデータストレージ(パブリッククラウドサービスを含む。)にバックアップを構成するともない。

危なすぎて全く頼りにならないと考えているからだ。

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(余談)

たまたまプロバイダのことを書いたが,これは日本のプロバイダの特性であるとはいえないだろうと思っている。

海外の企業を含め,「臭いものには蓋をする」という隠蔽体質がこびりついており,情報提供がさっぱりなされないことが普通だ。

情報提供がなければ,正しい判断形成ができない。

企業というものが「所詮,ただの商人(あきんど)だ」という蔑みの視線から脱却したければ,そこらへんのところをちゃんと考えなければならない。業績の良い企業の金に群がり寄り集まり,ちやほや褒め称えるような人々は,とりわけ内心でそう思っているのに違いない。馬鹿な経営者ほどそのことに気づくことができないのかもしれないが,しかし,そのことを理解しなければならない。

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