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2010年12月 8日 (水曜日)

リシッピング詐欺

以前から問題とされてきたリシッピング詐欺が,米国において活発化してきているようだ。

Collier deputies warn residents of scam
News-Press: December 7, 2010
http://www.news-press.com/article/20101207/NEWS0119/101207037/1075/Collier-deputies-warn-residents-of-scam

リシッピング詐欺(reshipping scam)は,パーセルミュール詐欺(parcel mule scam)とも呼ばれ,マネーロンダリングの手口の一つとして実行されることが多い。その手口の詳細については,下記のRSAの文書(日本語)の中で詳しく説明されている。

RSAオンライン不正状況レポート
RSA: 2009年11月
http://www.rsa.com/japan/products/consumer_solutions/fraudaction/OnlineFraudReport/AFCCPFIR200911.pdf

日本では,英語で取引できる人間の数がかなり少ないことと,通関手続が結構面倒なことなどから,まだそんなにないのではないかと思われる(今後,関税が撤廃されたり,通関手続が大幅に緩和されたりすれば,状況が一変する危険性はある。)。

しかし,今後,日本語で取引可能なアジア圏諸国との間でのリシッピング詐欺が発生する可能性はある。

個人事業者で貿易業務に携わっているところがターゲットとして狙われ,ミュールとして利用される可能性があるので,注意を要する。

なお,ミュールとされる者は,刑法理論上では間接正犯の道具としての役割を担う者であると理解すべき場合が多いかもしれないが,故意または未必の故意によりマネーロンダリングの実行の一部に加担していると認められる場合には,幇助犯だけではなく共同正犯の一種として理解すべき場合もあろう。

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