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2010年11月17日 (水曜日)

インド:ムンバイの病院で,赤ん坊泥棒を防止するためにRFIDタグを利用

下記の記事が出ている。

 Radio tags to prevent baby thefts
 Daily News & Analysis: Nov 17, 2010
 http://www.dnaindia.com/mumbai/report_radio-tags-to-prevent-baby-thefts_1467801

RFIDタグを赤ん坊につけて電波監視をしなければならないくらい赤ん坊泥棒が多いということなのだろう。赤ん坊の時点で盗まれ,他人に育てられた場合,その本人の自己認識も本来あるべき自己認識とは全く異なるものとなるし,出生記録等も(偽造等により)最初から真実とは異なったものとなる。

現在の法制度は,このように最初から真実と異なる「個人」であっても正当な「個人」であることを基礎とせざるを得ないのだが(つまり,何らかの情報によって評価された判断結果に過ぎないものを評価の対象として扱うというトートロジーのようなものに陥っている。),このような状況があることを前提とした場合,通常の教科書等に書かれている「個人」の定義では全く説明がつかない事態と直面する(=通常の教科書等に書かれている法解釈論の基礎が根底から失われる)ということを正確に理解しなければならない。

明治大学法科大学院における「サイバー法」の講義では,このように個人識別の大前提となる「個人」の定義の段階で実は非常に大きな問題があることを説明している。学生諸君が正確に理解してくれていることを心から願う。

ちなみに,日本の病院でも同じような試みはある。ただし,それは,赤ん坊泥棒の防止を目的とするものではなく,患者に対する薬剤投与の間違いなどを防止することを目的としていることが多い。

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