« スウェーデン:Private Bayの運営者ら3名に対する著作権法違反事件の控訴審で控訴棄却の判決 | トップページ | インターネット上の電子掲示板に,横浜市立小学校を名指しして「11月24日に乗り込んで生徒たちを鉄パイプで撲殺することにした」と書き込み,その結果,小学校を臨時休講にせざるを得ない状態にした25歳の男が威力業務妨害罪の容疑で逮捕 »

2010年11月28日 (日曜日)

EU:ブロードバンド専用の通信衛星打ち上げ成功

下記の記事が出ている。

 Hylas-1 net-dedicated satellite launches
 BBC: 26 November 2010
 http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-11846237

ところで,現在のコンピュータではローカルな時刻をWeb上で提供されるグローバルな時刻と同期させているものが多い。通常の光ケーブルなどによる通信を用いて同期させている場合,実質的に問題が生ずることはない。

しかし,衛星通信の場合,非常に長い通信距離を往復する関係から,真の国際標準時と個々のコンピュータで同期すべき時刻として受け取る時刻との間に微細なずれが生ずる。衛生通信を用いたテレビ放送などでは既にこのことが認識されているけれども,ありとあらゆる放送や通信がブロードバンド経由で実行されるとなるとその影響は予想以上に大きいかもしれない。

とりわけ,仮想マシンを使っている場合,その仮想マシンのサービスの内部で提供される時刻には(ローカルな範囲内で)ずれが生ずることはないと理解されることが多いけれども,それは正確な理解ではない。というのは,多数の仮想サーバを提供する1個のパブリッククラウドサービスの物理層が実は遠隔地に複数存在し,ネット上で連携しているだけということがあり得るし,現実に多数の実例がある。この場合,正確な意味での時刻の同期ができなくなる。そのため,正確な時刻の同期がないとエラーを発生させる可能性のあるアプリケーションでは問題が生ずるかもしれない。

また,ややSF的な発想だが,ミリセコンドの誤差(タイムラグ)を利用した攻撃といったものが将来考えられるようになるかもしれない。そのような例は,実は既に個々のPCでは存在しているのだが,これが巨大なパブリッククラウドの中で非常に大規模に実行される可能性があるのだ。

というわけで,「たかがミリセコンドのずれじゃないか」とたかをくくっていると,あとでとんでもない被害が発生し,泣きべそをかくことになるかもしれない。

|

« スウェーデン:Private Bayの運営者ら3名に対する著作権法違反事件の控訴審で控訴棄却の判決 | トップページ | インターネット上の電子掲示板に,横浜市立小学校を名指しして「11月24日に乗り込んで生徒たちを鉄パイプで撲殺することにした」と書き込み,その結果,小学校を臨時休講にせざるを得ない状態にした25歳の男が威力業務妨害罪の容疑で逮捕 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« スウェーデン:Private Bayの運営者ら3名に対する著作権法違反事件の控訴審で控訴棄却の判決 | トップページ | インターネット上の電子掲示板に,横浜市立小学校を名指しして「11月24日に乗り込んで生徒たちを鉄パイプで撲殺することにした」と書き込み,その結果,小学校を臨時休講にせざるを得ない状態にした25歳の男が威力業務妨害罪の容疑で逮捕 »