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2010年11月 3日 (水曜日)

ドイツ:IDカードに対する批判

ドイツでは電子的なIDカードに対する批判が根強いようだ。下記の記事が出ている。

 Germany's new e-ID cards raise hackles over privacy
 REUTERS: Nov 2, 2010
 http://www.reuters.com/article/idUSTRE6A147M20101102

このことの背景には,ナチスのゲシュタポや旧東ドイツの秘密警察の記憶が鮮明に残されているということがあるらしい。秘密警察は,もちろん法律による規制など守るはずがない。ナチスは,ワイマール憲法の手続きに基づいて政権を奪いワイマール憲法による国家体制を破壊した存在なので,もともと法の支配とは無縁の存在だと言える。

およそ秘密警察の強い国家というものは基本的にそうしたもので,法の支配など関係ないのだ。現在存在している国家の中で強い秘密警察をもつ国家の実例をみれば,そのことを即座に理解することができる。

法学教育においては,理念を理念としてきちんと理解できるようにしつつも,「現実は常に理念とは相当かけはなれており,それゆえに理念が理念たり得ている」という当たり前のことを正確に教えなければならない。

理念が事実と一致している場合,それは既に理念ではなくなってしまっている。

頭でっかちの教育は百害あって一理なし。


[このブログ内の関連記事]

 ドイツ:IDカードにRFIDタグが導入される見込み
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/rfid-e7b3.html

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