Google Map上の間違いによりニカラグアとコスタリカとの間に軍事衝突のおそれ
下記の記事が出ている。
Nicaragua to keep troops in disputed territory after Google Maps error
Guardian: 11 November 2010
http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/11/nicaragua-troops-calero-island-google-maps
Googleの単純な「間違い」に起因するものなのかもしれないが,国際紛争を発生させてしまう可能性があるところが恐ろしい。権威も権限も何もない単なる一企業に過ぎない者がこのようなタイプのサービスを提供すると,この種の政治的問題を発生させ得るということの例証の一つであり,かつ,もし流血の事態になってもその企業は責任をとる気など全くない無責任な存在だということの例証の一つでもある。専門家がなぜ長年苦しんでいるのかを理解できない素人の一員に過ぎない企業に対して,あまりに大きな世間的評価を与えてはならない。
ところで,フランスの百科全書派以来,知識を百科全書にまとめて啓蒙することにより理想社会が実現するという考え方がある。その考え方の一部は正しい。無知による問題の発生を避けることができる。しかし,基本部分が間違っているかもしれない。なぜなら,百科全書に収録すべき知識や情報が正しい知識や情報であるという保証が何もないのだ。とりわけ未解決領域に関する知識や情報がそうだろうと言えるし,また,通説によって確実なものとされているけれども実は通説のほうが根本的に間違っている場合(例:かつての天動説と地動説)がそうだろうと思う。そして,評価と事実とは異なるのに,評価をもって知識として理解されてしまっている場合もそうだろうと思う。評価は,単なる主観に過ぎず,それ自体として確実性や完全性が保証されているものではない。
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以下は,あくまでも一般論。
日本では尖閣諸島等の問題があるが,世界各国に類似の状況が存在している。もともと人類が誕生する前には国境など存在していなかったのに,特定の人間の欲望によって線引きがされてしまうと,それ以降,数知れず血が流されることになる。
いっそのこと主権国家や国民国家なる概念を捨て,世界で1国だけにしてしまえば問題が解決しそうなものだが,人種問題や宗教問題等があるため,そんなに簡単なことではない。
もし世界国家が誕生して国境が消滅してしまうと,それまで国境に阻まれて移動することができなかった貧しい人々が大量に豊かな国々や豊かな都市に流れ込み,それまでの生活や文化を根底から破壊してしまうという可能性が大きい。それは,それまで豊かな国や都市に住んでいた人々の生活,文化というものを全面的に否定・破壊してしまうことを意味するかもしれない。
その意味では,国境は,ある種の防波堤的な役割を果たしていることを否定することができない。
というわけで,世界国家が誕生することは永遠にない。
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