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2010年10月 2日 (土曜日)

北海道江別市のデマ事件

だいぶ有名になってしまった事件なのだが,下記の記事が出ている。

 【衝撃事件の核心】「強姦容疑者は息子なの?!」 デマに煽られ“電凸” ネット情報に潜む危うさ
 産経ニュース: 2010.10.2
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101002/crm1010021202012-n1.htm

最初にこのデマを流した者やそれを信じた者の判断が過失に基づくものである場合,刑法上の名誉毀損罪は成立しないが,不法行為に基づく損害賠償責任を免れることはできない。故意による場合には名誉毀損罪が成立し得る。

いずれ真相が明らかにされることだろう。

ネット上では匿名性があることになっており,しかも,Twitterなどによって短い文章がどんどん広がってしまい誤解が更に誤解を生むということがあり得る。しかし,逆に,風説等の伝染経路を電子的・自動的に遡ることも可能であり,風説等の出所を探し当てることも可能となっている。そして,警察が捜査権限を行使し,最後のIPアドレスまで遡ることができれば,あとは普通の犯罪捜査の手法によって,「当該IPアドレスを用いて風説を流した者」を割り出すことが不可能ではない。

もちろん,身分証明書等の提出なしで利用できるネットカフェ等からアクセスした場合には,ネットカフェの中の特定のIPアドレスを使っていた者を特定できない場合がある。しかし,その場合には,身分を隠そうとした意図が推定できることから,過失ではなく故意もまた推定しやすいということになるので,防犯用監視カメラの映像など何らかの方法によって当該個人を特定・検挙できた場合には,故意による名誉毀損罪の成立を認めやすいと言い得るかもしれない。

自分が最初の加害者だと自覚している者は,被害弁償をした上で自首して出るべきだろう。

また,上記の記事にあるような風説を軽信し,被害者に対してしつこく電話をかけてきた者もまた(少なくとも過失による)不法行為者であることが明らかだ。そのような者は,自ら進んで被害者に謝罪し,弁償した上で名誉回復のために必要な措置を構ずるべきだろうと思う。

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