バベジの解析機関を実現する努力
電気が一般的でない時代にバベジは「解析機関」という水蒸気で動く機械式コンピュータシステムを考案したことは有名な話だ。実物はまだ実現されていない。しかし,どの時代にも,どうにか実現しようとする人々がいて,その努力が続けられている。性能が良いということではなく,天才の夢を実現してみたいというロマンのようなものなのだろう。
Campaign builds to construct Babbage Analytical Engine
BBC: 14 October 2010
http://www.bbc.co.uk/news/technology-11530905
日本にもパラメトロン計算機という非常に独創的かつ優れた技術があり,現実に実装され運用されるところまで実現していた。現在主流のシリコンIC型のコンピュータでなくても,プログラムを実行する機械装置は様々な態様で実現可能だ。
これまでの学問や常識にとらわれることなく,全く新しい発想でやり直してみてはどうかと常に思っている。
そこでは,学問上の権威,世間的な評価,経歴・肩書き等は全く意味がなく,独創的なことだけが重要だ。
この独創性という才能は,生まれたときに遺伝子によって決定されてしまっている部分が非常に大きいため,教育や訓練等によって培うことができない。単に,そのような優れた能力を有する人材を発見するための手法だけがある程度まで定式化可能なのではないかと思う。ただし,判定者の能力が劣っている場合,そのような手法を用いても,相手が優れた能力の持ち主であるかどうかを判断することができないことが多い。また,自己の利益(社会的地位,名誉,収入等)の確保に固執する者は,たとえ相手の才能を見抜いたとしても,それを承認することはないし,場合によっては芽が出る前に潰してしまおうとするかもしれない。それは,アイザック・ニュートンという歴史上の実例によって象徴的に表現されている。
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