国際的な携帯電話サービスに対する課税問題
同じような問題はこれまでも世界各地で発生してきたのだが(←日本では,ハリーポッターの翻訳者がスイスと日本の両国で課税されることになりもめた事件などが有名。),インドでVodafoneが税務当局と争う事態が発生し最高裁に上告しているようだ。下記の記事が出ている。
Vodafone given $2.5bn Indian tax bill deadline
BBC: 22 October 2010
http://www.bbc.co.uk/news/business-11606192
要するに,国というものは,世界のどこの国であれ,国民から税をとりたて,国の事実上の支配者がそれを管理・使用するための組織なので(国庫説),税をとりたてるという仕事が国にとって最も本質的な仕事だということになる。そして,税をとりたてて集めた財産(国庫)を守るために軍隊がある。軍隊の本来の任務は国庫を守るためにあるのであり,国民を守るために戦闘するのは将来の納税者を死なせないようにする必要がある場合ということになる。かつて,植民地主義の時代(大航海時代)には,国庫を増加させるため(収奪するため)にも軍が機能したが,現在でも世界の中にはそのような思想によって軍隊が構成されている国がないわけではない。
さて,このように課税は国にとって本質的なことなので,少しでも課税可能な者をみつければどんどん課税する。国というものは,本質的にそのようなものなのだ。
このような国庫説に基づく解釈を現代的に構成しなおすと私の「パラサイト理論」に必ずたどりつくことになる。このパラサイト理論は,人工物である人間社会と自然の生態系全体とを整合的に統合して説明可能な極めて有用な理論だと自負している。
夏井高人監修『ITビジネス法入門』(Tac出版)では,明示で「パラサイト理論」とは言っていないが,パラサイト理論を応用した既述を随所で試みてみた。
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