架空の食品卸会社の求人広告によって収集した他人の個人情報を悪用し,他人名義の偽造免許証を作成した上で,これを用いて他人になりすまし,クレジットカードの発行を受けて騙し取るなどし,キャッシングや商品券を購入していた57歳の男らが詐欺罪などの容疑で逮捕
リアル個人情報のフィッシング的取得と支払用カード罪と詐欺罪とを順次実行したようなタイプの犯罪であると言える。下記の記事が出ている。
詐欺:偽造免許でカード詐取 3容疑者逮捕 1200万円不正取得か /北海道
毎日jp: 2010年10月28日
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20101028ddlk01040222000c.html
通常のフィッシングは,偽サイトなどを構築し,そこに入力されるアカウント情報やクレジットカード情報を取得するというものなのだが,偽の求人広告によっても同様に,様々な情報(場合によっては,通常のフィッシングによる場合よりもずっと価値のある情報)を入手できるという実例になるだろう。
架空の会社の求人広告でなく実在する会社の求人広告の場合であっても,主たる目的が求人ではなく,応募してくる者の個人情報の収集であることがあるから,注意を要する。
なお,これらの行為を実行した場合にどのような犯罪が成立し得るかについては,夏井高人監修『ITビジネス法入門』(Tac出版)の第3章を参照されたい。
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