東京メトロの従業員として改札業務を担当していた32歳の男が,拾得した他人のパスモと乗客の自動チャージ機能付パスモとすり替えた上で物品の購入などに用いて不正利用
下記の記事が出ている。
東京メトロ駅員が拾ったパスモを不正使用 すり替え、4万6千円分
産経ニュース: 2010.10.1
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101001/crm1010011424023-n1.htm
すり替えると言ってもそんなに簡単にできることではないから,よほど巧妙にやったのだろう。東京メトロの従業員ではなく手品師の道を選ぶべきだったのではないかと思う。
なお,すり替えによりオートチャージ機能付のパスモを取得した行為が窃盗罪に該当するか詐欺罪に該当するかについては,事実関係の詳細(具体的な手口等)がはっきりしないと何とも言えない。
すり替えによって取得したパスモを用いて物品を購入し,その代金の支払いを免れた点は,当該物品を購入した店舗において店員を騙したと言える場合には普通の詐欺罪となり,店員のいない自動機械等で行使したような場合には電子計算機使用詐欺罪に該当するのではないかと思われる。ただし,後者の点については,学説により,窃盗罪とする説もあり得るだろう。
これらの点については,夏井高人監修『ITビジネス法入門』(Tac出版)の第3章内の該当箇所を参照されたい。
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