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2010年10月10日 (日曜日)

2歳未満の幼児の81パーセントがネット上で写真を晒されているとの調査結果

下記の記事が出ている。

 2歳未満の子ども8割がネットに写真、プライバシーや犯罪に懸念
 AFP: 2010年10月09日
 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2764418/6302456

 Study: 81 Percent Of Children Have An Online Presence Before Age Two
 dark READING: 10 08, 2010
 http://www.darkreading.com/authentication/security/privacy/showArticle.jhtml?articleID=227700439

この記事では,プライバシー侵害の問題が指摘されている。幼児は親権者である親等によって保護されなければならないわけだが,その親が写真を公開してしまうのだからどうにもならない。

ちなみに,赤ん坊の裸体写真は,理論的には児童ポルノとして扱われる可能性が高い。児童ポルノは,写真のわいせつ性を問題にするのではなく,小児性愛者などの被害に合わないようにするということが保護法益となっている。そのため,可愛らしい赤ん坊の写真に過ぎないものでも,裸体であれば児童ポルノ法の適用があり得ることになる。ここらへんは,世間の圧倒的多数の親の感覚とは乖離している部分なのだが,法は法だし,現実に裸の赤ん坊の写真を観て興奮し誘拐や殺人などの犯行に及ぶ者は多数存在し得るだろう。

ところで,夏になると,テレビ局では,海岸や遊園地などで裸で遊んでいる子供達の様子を撮影した映像を盛んに流す。また,おむつの商業宣伝などのように裸の赤ん坊の映像を含むものが多数ある。これらもまた,理屈の上では,児童ポルノに該当する可能性が高い。

ちなみに,さすがに最近では女児の裸体映像がテレビで放映される機会はなくなってきたように思うが,男児であれば性器丸出しの映像が今でも放映されることがある。これは,明らかに男性差別だと考える。

以上のような問題についてはあまり議論されていないようにも思うが,理屈をつめて考えるということをしない人が多過ぎるということなのだろう。

理屈を詰めて考えた場合に奇妙な結論に達してしまう場合には,推論過程が間違っているか,法則(法規範など)のほうが間違っているか,あるいは,常識的・直感的な判断のほうが間違っているかのいずれかに違いない。そこらへんも詰めて考えられているとは思われない。

*****

余談だが,食事時に女性用生理用品,トイレ関連製品,おむつ,入れ歯,脱毛剤・脱毛用品などの商業宣伝広告をテレビで放映するのはやめてほしい。食事がまずくなる。

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