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2010年9月18日 (土曜日)

文部科学省:司法試験合格率の低い法科大学院に対する補助金支出を制限する方針

下記の記事が出ている。

 法科大学院 司法試験低迷校は補助金絞る 
 産経ニュース: 2010.9.16
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100916/trl1009162257016-n1.htm

そのような法科大学院に在籍する学生には気の毒なことだが,国政全体を見渡した場合にはやむを得ないことだろうと思う。

国立大学法人等が税金によって運営されていることは当然のこととして,私立大学も基本的には国からの補助金(税金)に頼って大学運営をしている。

大学としての実質を備えていないところに対し,無条件で補助金(税金)を投入することは,納税者である国民の利益を著しく侵害することになる。

なお,次のような報道もある。

 文科相「統廃合も一つの選択」 低迷の法科大学院で
 共同通信: 2010/09/10
 http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010091001000416.html

この報道の中では,「千葉景子法相は、合格者数を「2010年ごろには年間3千人」とする政府計画に届かなかったことについて・・・」とも書かれている。周知のとおり,3000人という計画それ自体が最初から無謀なことであり,狂気の沙汰としか言いようがない。

3000人もの弁護士需要など絶対にあるわけがない。おそらく,既に飽和状態だと思われる。

飽和状態であっても,弁護士として採用がゼロになるというわけではない。高齢または死亡により退職する弁護士,裁判官,検察官が必ず存在し,その空席を埋めなければならないからだ。需要とは,その空席予定数だと理解すればよい。

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以下は,関連する一般論。

ちゃんとした市場調査もしないで3000人計画を決定してしまった人々やそれを支持・推進していた人々の個人責任は,問題にされてしかるべきだと思う。所詮小さなパイの奪い合いでできている社会なので,パイの大きさを正確に測定した上で立論しなければならない。

そのような人々が法律家である場合(大臣である場合を含む。),若い人たちの前途を誤らせてしまった責任は極めて重い。また,法務省に対してインチキな内容の似非市場調査結果情報を提供したシンクタンク等の組織についても同じだ。

ちなみに,来るべき社会像を「法化社会」ととらえる考え方があった。私は,そのような考え方に対し,極めて批判的な態度を明確にとってきたし,荒唐無稽な予測だとこき下ろし続けてきた。なにしろ,どう考えてもあり得ないことだからだ。経済原理というものを一切無視した空理空論と評価するしかない。そして,そのような考え方が3000人計画の思想的バックボーンになっていたことは否定できない。これまた,責任を問われるべきだろう。

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