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2010年9月 3日 (金曜日)

パブリックラウドと関連する法律問題の検討が次第にまともになってきたようだ

サイバー法を極めるためには,全ての法領域をマスターしなければならない。なぜならば,サイバー法はすべての法領域にまたがって存在している法のカテゴリの一つだからだ。それゆえ,サイバー法の領域に含まれる法的課題を検討するのに必要な素養と経験をもった研究者が数少ないのは最初から当たり前のことだ。その結果,クラウドコンピューティングの問題にしても,最初からきちんと法的課題を認識・理解できる法律家はそんなに多くはない。

とはいっても,時間が解決してくれる問題もある。

例えば,他の専門家が何か断片的なことを書き,それを読んで考えている間に視野を広げることが可能だからだ。

パブリッククラウドと関係する法律問題にしても同じで,時間がたつ間に次第に問題点の認識が共有されてきたようだ。

下記の記事を見つけた。

 Introducing Cloud Computing: A Gentle Overview
 SYS-CON: Aug. 31, 2010
 http://www.sys-con.com/node/1514488

この記事では,ソフトウェアやアプリケーションのライセンスの問題が大きな問題として指摘されている。そのとおりだと思う。ただし,国際的裁判管轄の問題がセキュリティと関連する法的課題の中のその他のところに入れられているのはちょっと残念だ。たぶん,専門外なのだろう。

その他,システムの利用契約やその一部を構成するSLAの問題については,これまでこのブログでも指摘してきたとおりだ。世界中どこでも同じような解釈論しかあり得ない課題の類型に属するので,当然の結果だと思う。

今後は,パブリッククラウドのベンダが契約締結の権限(処分権や管理権等)を有する事項とそうでない事項とを分けて,細かな解釈論を提供する必要があるだろうと思う。

*****

私見の重要度を測定してみると,サイバー法の専門家の間では半ば常識化(通説化)しつつあるのではないかと思っている。ただし,サイバーなセンスをもたない法律家には理解されないことがある。もともとセンスがない人が理解できないのは,センスがないのだから仕方がない。

非法律家については理解されなくても仕方がないと最初から諦めている。ただし,非法律家であっても法には従わなければならないので,刑罰法令違反すれば処罰されることもあるし,何らかの損失を発生させれば損害賠償責任を負うこともある。ただそれだけのことだ。

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