電子書籍の「自炊」?
IT関係ではいろいろと新語ができる。「自炊」なる言葉があるそうだ。下記の記事が出ている。
ソフトなければ自分で作ろう! 電子書籍の“自炊”(?)広がる
産経ニュース: 2010.9.25
http://sankei.jp.msn.com/economy/it/100925/its1009251859000-n1.htm
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以下は,あくまでも一般論。
自分の本を自分だけのために写本しても私的利用の範囲に入るだろう。あくまでも書籍購入者自身が自分だけ(またはこれに順ずる範囲内)のためにするものである限り,電子的な写本でも同じことになるだろうと思う。
しかしながら,たぶん,一度書籍をデジタルデータ化してしまうと,「自分だけで使うのはもったいない」と考え他人にも複製物を提供してしまう人が出てきてしまうこともまた自然の流れというものだ。
もし,Winnyが違法な存在であるとすれば,スキャナとiPadも違法な存在であることになるはずなのだが,ここらへんの切り分けがきちんとなされないまま平気で議論をする人がいるから,世の中というものは奇妙なものだといつも思う。私の直感的な感想としては,大企業が生産する商業製品であれば「技術的中立性」の名の下に装置やソフトウェアそれ自体の違法性が認められることは少なく,個人または非大企業が作成した装置やソフトウェアであれば「著作権侵害を主たる目的とするもの」として違法性が認められてしまうことが多いのではないかと思う。事実そのような判決の例は多数ある。だが,これは,先入観のかたまりのようなもので,何ら論理性・合理性を有しない考え方だ。切り分け基準は,別のところに求められなければならない。
著作権法それ自体が奇奇怪怪な部分を大量に含んでしまっていることにもその原因の一つがあるのかもしれないが・・・
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