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2010年9月11日 (土曜日)

クラウド開発への投資のリスク-どんなアーキテクチャなのかを慎重に検討すべきだとの見解

下記の記事が出ている。

 Cloud Computing Investors Need to Consider Architecture
 info Tech: September 10, 2010
 http://it.tmcnet.com/channels/cloud-computing/articles/100717-cloud-computing-investors-need-consider-architecture.htm

もっともだと思う。

この記事はインドで書かれたものであり,インドの投資家のことを念頭に置いて書かれたものだ。

しかし,指摘されている事項の中の要点は,どの国のどの投資家にも共通していると思われる。

クラウドは,アーキテクチャそのものではない。強いて言えばビジネスモデルまたはサービスモデルの総称のようなものだ。クラウドコンピューティングを実現するための物理的アーキテクチャは多様であり,無数に成立し得る。

日本政府が標準化について韓国政府と話し合うという件について批判的なのは,まさにこの点に尽きる。

標準化は,機械部品や個々のアーキテクチャについては有用に機能し得るが,ビジネスモデルやサービスモデルでは機能しないどころか無視されるのが普通なのだ。

そして,アーキテクチャの種類によっては,物理層において極めて脆弱であることがあり得る。また,アーキテクチャの種類によっては,その運用にかかわる人的側面において重大な脆弱性をもつことがある。

このように,クラウドを考える際には,その表面的な容貌によって「雲にまかれる」ことなく,モデルとしての本質を見抜き,個々のアーキテクチャを緻密に分析する能力が欠かせない。

要するに,単なる評論家のような人々には到底手におえる世界ではないのだ。

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