電波法に違反する高出力の電波により他人の無線LANを無権限で使用する機器類を販売した容疑で42歳の男らが逮捕
下記の記事が出ている。
タダ乗りネット:無線LAN「ただ乗り器」販売容疑、電器店店長ら逮捕--大阪府警
毎日jp: 2010年9月23日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100923ddm041040046000c.html
アクセス制御がなされていない他人の無線LANシステムに直接にアクセスする行為は不正アクセス法違反にはならない。
この点は,現行の不正アクセス法の不備の一つとして考えるべきだろう。
今回の事件では,たまたま機器の仕様が高出力であり電波法に違反するものであったため犯罪容疑が成立することになったのだが,もしこれが非常に低出力の装置であったとしたならば電波法違反が成立しない可能性が高い。刑法に定める電気窃盗にもならず,要するに「ただ乗り」しているだけのことであって,かつ,本来の権利者の利用の支障にもなっていなかったとすれば他の刑法上の罪に該当する可能性も低い。
サイバー刑法全体として,何か抜本的な考え直しが求められているのだろうと思う。少なくとも,これまでのような企業事業者の利益保護だけを考えた刑法システムでは駄目だ。個々の個人が巨大企業と同じくらい大きな力を持ち得る時代になったのだから。
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