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2010年9月10日 (金曜日)

総務省:第1回日韓クラウド政策対話の開催

下記の広報が出ている。

 第1回日韓クラウド政策対話の開催
 総務省: 2010年9月10日
 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin09_01000001.html

「平成22年9月13日、韓国のソウルにおいて、クラウドコンピューティングの今後のあり方に関する、日韓の実務者間の政策対話「第1回日韓クラウド政策対話」を行います。」と書かれている。

議題としては,標準化なども含まれているようだ。

しかし,クラウドに関する限り,「標準化」を発想した時点でもう駄目だ。

なぜなら,クラウドとは,特定の技術のことを指すのではなく,一群の仮想コンピュータ技術を用いて提供される一群の仮想サービスの総称に過ぎないからだ。

クラウドというモデルは,多種多様な技術によって実現可能だ。ここでは,技術的中立性に加えて技術的多様性というものを重視しなければならない。

つまり,最初から標準化に馴染まない。

だからこそ,クラウドに特化した標準的な監査基準もセキュリティ標準も定められない。

標準化は,工業製品では非常に重要なのだが,サービスにおいては効用を発揮しにくい枠組みではないかと思っている。標準化ではなくコンプライアンスを重視した規律の強制という側面からの検討のほうがずっと大事だろうと思う。強いて言えば,プロトコルの共通化は検討の余地がある。しかし,クラウドに用いられる技術は多様であり,その多様な技術のそれぞれの分野において既に世界標準的な地位を占めているプロトコルが存在する。だから,クラウドのプロトコルのようなものを考えたとしても,かなり抽象的なものとならざるを得ないだろうと思う。

どうしてそのことに気づかないのだろうか?

そして,いま政府として考えなければならないことは,もっと別のことだろうと思う。

このような調子では,日本の未来はない。

日本の産業界は,もっと怒るべきだろうと思う。

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