インド:電子投票(e-Voting)システムの脆弱性を指摘した研究者が逮捕された模様
下記の記事が出ている。
Police extend detention of e-voting critic
Register: 26th August 2010
http://www.theregister.co.uk/2010/08/26/indian_evoting_critic_jailed/
机上の理屈としては,電子投票では,電子データをちょっといじるだけで何でもできてしまう。
しかし,ここでもまた,神の神はいない。
[追記:2010年8月31日]
関連記事を追加する。釈放されたようだ。
E-voting critic released on bail (finally)
Register: 30 August 2010
http://www.theregister.co.uk/2010/08/30/indian_evoting_critic_jailed/
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コメント
湯淺先生 コメントありがとうございます。
インドの電子投票制度がそのようなものであるということは存じておりますが,だからといってセキュリティの弱さを指摘した学者が逮捕されてよいということはないと考えます。インドに進出している日本企業は,そこらへんのことをよく考えた上で,利益を度外視して従業員の生命・身体を守るために最大限のコスト負担をすべきだと思います。
それから「何十年も前」ではなく,今でもそうだろうと思います。(笑)
投稿: 夏井高人 | 2010年9月 7日 (火曜日) 20時54分
もともとインドの電子投票に関する問題というのは、投票データの改ざんとかそういう次元より先に、選挙自体の近代化の遅れに起因するところがあります。なにしろ選挙のたびに大勢の人が死ぬ国ですし、投票人の安全を守るという目的もあって投票は監視人の目の前で行わなければなりません。秘密投票の原則<人身の自由、ということでしょうか。
ただ、国情を勘案して、電子投票機自体は意外によくできています。小型でバッテリー駆動ですから停電になっても使えますし、車が通れないところにも持っていくことができます。投票後は、投票を記録した投票機自体を回収して開票所に持っていく仕組みです。問題は回収後で、ここで改ざんされるとどうにもなりません。
しかし、日本でも何十年か前までは、投票で開票していると突然電気が消えてその間に票のすり替えが行われたとか、開票してみたら票数が選挙人よりも多かったという事例はけっこうあったわけで、選挙のセキュリティは電子投票であるかどうかを問わず、民主政の成熟度とも関係していると思われますね。
投稿: yuasah | 2010年9月 7日 (火曜日) 17時18分