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2010年8月12日 (木曜日)

テレビ局の報道・取材姿勢に対する疑問

今朝,テレビを見ていたら,三宅島の様子が放映されていた。噴火による被害の様子を示す映像が流されていた。住民の方にはとんでもない天災だったと思う。

三宅島の噴火は小康状態になったとはいえ,まだ有毒ガスが噴出している状況とのことで,場所によっては危険な箇所が多数あるらしい。

ところで,この番組の中で,可愛らしい女性(リポーター?)が現場を紹介していた。その女性は,堅牢なヘルメットをかぶっているわけではなく,毒ガス用のマスクをつけているわけでもない。服装も登山に適したものとは到底言えない。東京の渋谷あたりを歩いていても全く違和感のない格好だった。

ところが,その女性は,カメラに向かって,「このあたりにはまだ有毒ガスが流れています」と平気で述べる。

そのテレビ局は,その可愛らしい女性が有毒ガスに侵されて青ざめ死んでいく様子を撮影したかったわけではないだろうと思うが,それにしても油断し過ぎている。私ならば絶対にそんな場所には行かない。リスク管理として当然なすべきことがなされていないことに驚く。

火山性の有毒ガス(硫化水素ガス)等による事故死の例は毎年あり,比較的最近でも,青森の八甲田山で有毒ガスによるものと思われる死亡事故があった。

つい先日,ヘリコプター事故の取材のためガイドの制止をきかずに現場に向かったカメラマンら2名が事故死する事件があったばかりなのに,テレビ局には,危機管理意識が全くないらしい。

もし取材中の事故が更に繰り返されるようなことがあった場合,そのテレビ局の社長は,当然辞任すべきレベルの問題だと思われる。

テレビ局には自主管理能力が十分ではないかもしれないので,監督官庁は,しっかりとした対応をしてもらいたいものだと思う。

取材中の死亡者には労災給付がなされるが,労災給付のための積立金は必ずしも十分なものではなく,無用に労災給付としての支出を増やしてしまうような事故の発生は阻止しなければならない。

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