無線装置を使った心臓疾患の遠隔監視は医療上有効との調査結果
下記の記事が出ている。
Wireless monitoring saves lives - study
Register: 9th August 2010
http://www.theregister.co.uk/2010/08/09/wireless_heart/
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以下は,あくまでも一般論。
電車の優先席で携帯電話等の電波デバイスのスイッチをオフにすることとされているのは,心臓ペースメーカの動作に悪影響を及ぼすからだとされている。
ところで,心臓疾患の遠隔監視のための無線装置を装着した者は心臓疾患のある者として優先席に着席べき場合があるだろうと思う。ところが,電波を発信する装置であるため,優先席の着席ポリシー上ではスイッチをオフにしなければ優先席に着席することができない。つまり,遠隔監視することができないようにしなければならないという矛盾が発生する。
私は意地悪でこういうことを書いているのではない。社会の中には相互に矛盾したルールやポリシーが山ほどあり,法律の中にも自己矛盾としか評価しようがないものがないわけではない。
私が問題にしているのは,矛盾を矛盾と感ずることのできない鈍感さや愚鈍さであり,あるいは,感じているはずなのに無視して自分の都合を優先するような図々しさや欺瞞行為なのだ。「矛盾など存在しない」と嘘をつくことが最も悪いことだろうと思う。
矛盾は矛盾として明確に認識した上で,それを解決するための努力と工夫を重ねなければならない。
なお,矛盾を矛盾として感ずるためには,やはり深く幅広い教養と社会経験の蓄積が必要だ。純粋理論を机の上でこねているだけの者には矛盾を矛盾として感ずる感性が育つことは決してない。
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