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2010年8月16日 (月曜日)

インターネットは英語を変える?

下記の記事が出ている。

 How the internet is changing language
 BBC: 16 August 2010
 http://www.bbc.co.uk/news/technology-10971949

日本でも女子高生言葉などがあるように,インターネット上では英語の多種多様なスラングや短縮形が存在する。この記事では,そのようなローカルなスラングが急速に普及し,英語が相当変化してしまうのではないかということが指摘されている。

事実,私のところに来る英文メールの中には,YouのことをUと書いたりしているものが結構たくさんある。

このような言語の短縮化傾向は,英語だけではなく世界各国語についてみられるものであり,その主要な原因は電子メールの普及だということが数年前から指摘されてきた。

私は,確かにそのような傾向が今後も促進されるだろうと思っている。

しかし,そうではないベクトルも存在する。

社会には,一般人と専門家とがおり,また,普通の人と特権階級とが存在する。法律上は平等かもしれないが,社会的事実としてそのような差が生じすることを阻止することはできない。

仮に共産主義国家になったとしても,歴史上存在した全ての共産主義国家がそうであったように,共産党幹部という貴族階級とそれ以外との間にはとんでもない絶壁のような格差があり,それを埋めようとする者はいないだろう。なぜなら,指導層は,自分が選りすぐられたエリートであり,エリートとしての特権を享受できるはずだと考えてしまうものだからだ。

世界の国々がすべて共産主義国家になるとは考えにくいが,自由主義の国家であれば,ますますもって幾つかのグループやギルドのようなものが形成されやすい。

そして,知的エリートとして自認する集団や階層が必ず存在する。

そこでは,伝統的な英語を正しく使えるかどうかがその集団や階層に属することができるかどうかの非常に重要なテストの一つになることだろう。

つまり,言語というレベルで,世界はエリート層とそうでない層とに二分化していく可能性が高い。

このことは,人類の過去数千年にわたる文化・歴史をずっと通観してみると即座に理解できることだ。

かくして,英語は二分化する。

人類がインターネットという電子化されたバベルの塔を建てようとすれば,神(主)は,必ずそれを咎め戒めるのだ。

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