Google ストリートビューによる無線通信傍受に関して欧州各国当局は捜査を続行中
下記の記事が出ている。
Google cleared of wi-fi snooping
BBC: 29 July 2010
http://www.bbc.co.uk/news/technology-10805090
日本政府は何をやっているんだ。
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コメント
senryoさん コメントありがとうございます。
日本では適切な処罰法令がないので,仮に諸外国の警察当局などから日本の警察に対して捜査協力の依頼があったとしても,理屈の上では,犯罪捜査というかたちでの協力をすることができないと思います。
また,米国の動きは各州の捜査機関レベルのものであり連邦警察による捜査ではないですから,州として日本の警察に対して捜査協力依頼をすることはないでしょうし,できないでしょう。
日本で可能なのは,各種関連行政法規に基づく行政指導だけではないかと思われます。しかし,自民党政権下でも現政権下でもその気は全くなさそうなので,極めて見込み薄です。
たしかに,日本国政府は,国際会議や国際組織に代表者を出しています。しかし,何の権限もないので,ただ参加しているだけで終わりです。諸外国政府はそのことをよく理解しているので,日本の代表が何を発言しても本気で聞く気など最初から毛頭もありません。ここらへんが主要諸外国との決定的な相違点なんですが,日本では誰も権限を行使できないように相互に無力化させてしまう文化・風土のようなものが根付いてしまっているので,どうにもなりません。
それはともかく,法律論としてのあるべき姿としては,刑法と刑事訴訟法の抜本改正なのですが,サイバー犯罪条約に批准するための刑法及び刑事訴訟法一部改正法案でさえ一部の国会議員(国務大臣経験者等を含む。)の強い反対によって葬り去られたのも同然の状態となっています。
理想と現実との間の見極めのようなものがうまくいっていないのだろうと思います。そのことについては,一部マスコミの姿勢にも重大な責任があると考えています。
なお,オーストラリアとニュージーランドでの捜査機関の動きについてはこのブログ記事でも何度か紹介していますので,過去記事からひろってください。
投稿: 夏井高人 | 2010年7月31日 (土曜日) 07時04分
オーストラリアやニュージーランドでも捜査の対象となっていますが、日本に対して各国当局から捜査協力の依頼がある可能性は無いのでしょうか。
7月16日付のAPECのニュースリリースで、APEC Cross-border Privacy Enforcement Arrangement (CPEA)の開始について報じられているのですが。
このリリースによると、CPEAを構築したグループには日本も参加しているとのことです。
投稿: senryo | 2010年7月30日 (金曜日) 20時49分