クラウドコンピューティングに関して,Gartnerが提唱する6つの権利の確保
下記の記事が出ている。
Gartner Global IT Council for Cloud Services Outlines Rights and Responsibilities for Cloud Computing Services
Gartner: July 12, 201
http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=1398913
Gartner releases cloud computing 'rights and responsibilities'
ZD Net: July 14, 2010
http://www.zdnet.com/blog/projectfailures/gartner-releases-cloud-computing-rights-and-responsibilities/10276
私は,この提案それ自体については,全くそのとおりだと思う。
自己の情報資産を守るために,これらの権利が確保されるのでなければ,「名実ともに奴隷化している」と評価するしかない。
しかし,問題は,それらの権利を本当に実装することができるかどうかだ。
少なくとも,世界的な規模のパブリッククラウドに関する限り,それは原始的な不能に属する。パブリッククラウドの本質に完全に反するからだ。
仮にもし実装できたとしても,その場合には,そのシステムは既にパブリッククラウドではないので,パブリッククラウドとしてサービス提供することが逆に欺瞞的な取引として違法行為になってしまうことになるだろう。
システムアーキテクチャの観点からも,アプリケーションサービスの観点からも,約款の観点からも,国際的裁判管轄権を含め渉外法務の観点からも,これらの権利を実装することは(理論的にも技術的にも)絶対に不可能だ。
だから,パブリッククラウドは,その存在(ビジネスモデル)それ自体が問題だと主張し続けている。
日本のIT企業は,世界規模でパブリッククラウドのサービスを提供するようなビジネスをめざしてはならない。
へたにビジネスをグローバル展開したとしても,すぐに叩かれる。「国際的に金を握っているのは本当は誰なのか?」ということを冷静に考えてみる必要がある。
現実問題として,現地の言語で対応する従業者を大量に確保することが難しく,仮に確保したとしてもその人事管理をすることが不可能であるか非常に難しい。
また,基本的に「顧客は一人残らず潜在的なサイバー犯罪者(もしそうでなければ,徹底的に搾取し尽くすための対象)だ」という徹底して冷酷な感覚をもった経営者はいない。だから,必ず失敗する。
征服者になるということは,そういうことなのだ。
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