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2010年6月23日 (水曜日)

ゆびきたす

私が「ユビキタス」という用語を宗教(キリスト教)と関係する文脈以外では使うべきではないと強く主張し,それゆえにユビキタスコンピューティングやu-Japanに対して全否定的にきつい態度で批判を展開してきたことは周知のとおりだ。例えば,国や地方自治体などの権力組織が不用意に「ユビキタス」を用いることは,日本国憲法が保障する信教の自由(政教の分離)を侵害することになるから,憲法違反となる(ミッションスクールが「ユビキタス教育」を行うことはキリスト教の布教強化という目的と合致しており,信教の自由そのものなので全く問題がないが,国公立大学等を「ユビキタス教育」を行うことは,極めて重大な人権侵害となり得る。非キリスト教徒であり,かつ,キリスト教における特殊宗教用語の使用を強制されることを苦痛に感ずる者にとっては,特にそうだろう。)。

このユビキタスコンピューティングなるものの本質が「中央集権化の裏返し」であることは誰でも知っている。そのことを隠して,利用者側の利便だけを強調することは,極めて卑怯なことだと信ずる。

そしてまた,中央集権化が行き着く先は,世界でたった1台だけのリアルコンピュータとその中に構築される仮想マシンだけの世界であることもまた,誰にでも容易に想像できることだろう。

私は,このような動きは,インターネットの登場によって必然的に生ずることであるがゆえに,それを阻止することが現代における人権の確保のために最も重要なことであると考え,「単一化(unification)」が問題だということを強く指摘してきた。それでもなお,現実の動きを阻止することは難しい。だからこそ,「デジタル情報化されない権利」を基本的人権の一部としてとらえる必要があることを主張してきた。

このように,私の見解はこれまでずっと一貫している。

今後も変わらない。

なお,グリッドやクラウド等の技術が本来活用されるべき分野及び具体的な応用の方法については,幾つかの日本企業に対して提案をしてきたところだ。しかし,ほとんど無視され続けている。

このままでは,私と同じようなことを考えているに違いない海外の企業等のほうが先に特許化し,相対的優位の地位を築いてしまう可能性が高い。

仕方がないので,少しずつ公開し,公知技術とすることにした。上記企業との間では特に契約があるわけではなく,守秘義務もないので,公開することについて何らの差し支えもない。

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